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社説 波紋

景気は“まずまず”の判断も企業倒産増加の一途

 国内の経済動向は一進一退の状況だが鉱工業生産ベースでは、一般機械や電気機械が好不調の波が激しいので動きが落ち着かない。

 電子部品や輸送機械が好調なので全体的には上昇基準と判断されている。企業の経営利益は今年度上期は全体で2・2%減、下期は5・4%の増益といったところだ。

 国内産業の動きは横ばいといったところだが、日銀短観などによると企業の業況判断は大企業では現在まだプラスだが、中小企業ではここへきて数ポイント悪化している。原材料代その他諸経費等が物価高に押され総合的な採算割れを引き起こしているため―としている。

 景気はまずまずの線を行っているとしながらも、企業倒産は増えている。今年4月の状況では前年同月比約3%増加した。もっとも大型倒産はホテル・海運業とかゴルフ経営とかパチンコ店といった、ものづくり業種とは縁のないところでの倒産である。

 企業が利益を上げているから雇用状勢も改善を続けている。求人倍率は1・5倍前後を下ることはなさそうだし、所定外労働時間も製造業でプラス推移となっている。個人当たりの所得も小幅ながら増加。個人消費へも好影響。

[2007年6月27日付紙面から]


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