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社説 波紋

自動車産業、拠点拡大・拡充に躍起

 先般、ミシシッピ州にトヨタ自動車の北米で8度目の現地工場を建設するとのニュースが報じられたばかりだが、こんどはタイトヨタが同国内で3番目の生産拠点となる「ボンバー工場」を立ち上げ稼動に入ったと公表。

 ピックアップトラックを年間10万台生産するということで、車種とか生産規模といった面では大したことではないが、環境対応の新鋭工場とするトヨタの威光を世界に示す工場として、注目されるとしている。

 トヨタに一歩もヒケを取らないホンダは時期を同じくして中国における現地法人本田汽車零部件製造有限公司(CHAM)の新工場が完成し稼動に入ったと発表。このCHAMはホンダの全額出資の四輪車パワートレイン系部品の生産子会社で中国・佛山市に従業員400名規模のトランスミッション、コネクティングロッドなどの生産加工を行う工場として05年に設立され、今月に稼動。

 産業界でひときわ元気のいい自動車産業もどうやら国内生産に焦点を絞ると、言うほどのことはない―と泣き言の1つや2つ聞こえてきそうだ。だから、やたらと海外生産で辻褄を合わせようと拠点拡大・拡充に躍起となっているようだ。退いたら負けよ! といわんかなの感は一段と強い。

[2007年3月17日付紙面から]


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