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社説 波紋

値上げ値下がり…弱者には「イヤなこと」

 鋼材の需要が堅調なためか、鉄鋼生産は増え続けている。この動向が追い風となってか、ニッケルがまたまたハネ上がって、水をかければ余計熱くなる恋多き姐さんみたいに、のぼせっ放しの体だ。

 値上げされてその分を転嫁しようと躍起となっていると、再度の値上げ通達が来る。やっと転嫁できた頃には再度の値上がりに「相殺所かマイナス喰らってまっせ」とボヤいている。

 値上げの騒ぎと、値下がりの騒ぎはどっちがイイのかなーといったら、「値上げ」の方がいい、という人。この人は値上げ情勢である以上は、攻められるマイナスはあるが攻める材料になる。値上がり状況下なのだから-と値上げを突き付けることができる。気運も前向きだ。

 「値下がり」が一般情勢となり、世の中がその調子に落ち着いてしまうと、これまた厄介で、商売がやりにくい。何でも値下げの対象にされてしまうから、損することや、損する要因が増えて体ばかり忙しくて、儲からない。

 結局、値上げ情勢も値下がり情勢も、弱い立場の者には「イヤなこと」なのであり、どちらとも言えないと-。

[2006年12月17日付紙面から


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