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社説 波紋

地域間格差に見える「大企業周辺の好景気」

 中小企業庁の職員が道府県に出張して地域の中小企業金融情勢について、地銀や信金等の地域金融機関や政府系金融機関地方支店、各信用保証協会、中小企業者から聞きとり調査を実施(9月上・下旬)この程その結果が公表された。

 結論から言うと「中小企業の景況感は、全体としては底止まり感がみられる一方、好景気との実感は十分には広がっていない」ということだ。業種間の格差、企業間の二極化がより鮮明となってきた昨今、これが地域間格差に連鎖しはじめてる-という。

 たとえば景況感について「改善した」とする地域は、自動車、機械製造等の「製造業」が他産業を牽引しているケースが目立つ。対岸の建設業及び関連産業では、「決して業況がよいと言えない」と反論。特に公共事業依存型の地域では「疲弊感が色濃く感じられている」としている。

 そればかりではない。同一地域内でも業種間格差がみられる。今はじまったことではないが、その段差が大きい。だから目立つ-ということらしい。

 自動車、デジタル家電、携帯電話等IT関連、鉄鋼、造船等の業種については、生産増加、設備投資の増大などにより景気は上々で、寄らば大樹の陰「好景気の大企業の周辺のみの『改善』に過ぎない」と。

[紙面(2006年11月27日から)


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