社説 波紋
ニートに見る事業所数減少と製造業界整理
数量ブームの下で、日本の製造業は“造れば売れた時代”に事業所が1年に15万件以上増えたという。働く人たちも勤勉家なら、要するに働きさえすれば仕事はあるのだから収入に事欠くことはなかったのである。
平成の時代とともに(工業統計をみれば一目りょう然)事業所数は年ごとに予想以上に減りだした。因みに平成7年の事業所数は約17万5千件あったが、年々目減りして17年には13万4千件にまで落ちた。
当然従業者数の数も減少し、出荷額も292兆円から286兆円へダウンしている。
マジメに働こうとしても仕事がない。好みの仕事等の選別なんてどんでもない。結局、学校は出たけど仕事がない。職にありつけないニート族が現代の象徴のようになった。
業種的に事業所が減らずに、逆に増えているのは、プラスチック製品製造業、鉄鋼業、輸送機械工業、精密機械器具製造業の以上24業種のうち5業種のみのであるが、弱肉強食ではないが淘汰され、吸収され整理され、残ったものが生産を上げ、出荷額を増やしているのが昨今の製造業界の姿である。
ついでに言うなら出荷額の多い県は愛知、神奈川、静岡、大阪、埼玉ということだ。
[紙面(第2018号)から]
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- ニートに見る事業所数減少と製造業界整理 2006.10.07 土曜日