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社説 波紋

無理な開発がまねく自然災害

 雨が降らねば降らぬで干ばつだの水不足だのと「困った困った」を連発するし、雨が降れば降ったでやれ大水だ、堤防の決壊だのと村も町も「困った、弱った」と大騒ぎとなる。困らない、弱らない程度のところで降ってくれるのが一番良いわけだが、そんな都合のいいニーズに自然は合わせてくれない。

 そもそも鉄砲水や土石流は開発が進んだツケが回ってきたようなもの。昔はそんなろこに住まなかったのである。開発が進んだ住宅団地が洪水に見舞われ床上浸水の被害が起きた事があった。玄関先に大きな錦鯉が3、4匹やって来たという話もあるくらい、雨が降れば、そこが人の住むところかそうでなく不適当なところか教えてくれるわけだ。

 昨今の自然災害を見ると、きょう他人事、あすは我が事といわんばかりに、やけくそな的な攻撃ぶりだ。きのう九州、きょうは長野でそのあとは四国と、まあ被害に遭った人のみ、「困った」が実感できるが「そんなこと遠慮する」といわれそうだがいずれにせよ被害地いは同情とお見舞いを申し上げたい。

[紙面(2012号)から]


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