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社説 波紋

中小企業にとって近年は受難の年

 いざなぎ景気を超え成長拡大というものの、ウチの台所がよくなったとは思えない。景気拡大で誰のフトコロが脹らんだのでしょうかね。いざなぎ超えがフトコロ勘定では実感できないと年頭挨拶などで耳にする言葉のようだ。

 下請は生かさず殺さずに吸い上げろ! といった風潮がまだまだ残っているようで、然るに、こう申せば「誰のフトコロがふくらんだか」なんて聞かずとも知れよう。中小企業や車の下請企業にとって近年は受難の年であることに変わりはないようだ。

 業界の悲鳴をとりあげると「原材料の値上げと、人材採用の厳しさのため、変動費も固定費も上昇している上、価格改訂できずに一段と苦しい」「前年同期より引合いは増加しているものの、原材料高により増収分がくい込まれているのが実情。ユーザー先と交渉の結果、一部は単価に転嫁されてきた製品も出はじめているので粘り強く交渉を続けるほかない。実現できるのはほんの一握りの製品」「仕入れ単価が高止まりしているため、仕事量の割りに利益が上がらない」という訳である。

 ユーザー直納のメーカーでは「ここへきて価格転嫁に動きが…」と一息ついたような話も聞かれるようになったことはたしかだが、商業分野では好ましい流れが出てるのに時間的なズレがあるようで「仕入れ単価の上昇により粗利幅が縮小しているのが最大の課題である。販売単価に全額転嫁できない。それが要因」といった状況を聞く。

[第2028号紙面から]


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