社説 波紋
「きのうの敵はきょうの友」最近目立つ経営手法
きのうの敵がきょうは友。両者手を組み明日から持ち味を出し合って勝ち進む。この逆手車輪の手法が平成10年後半に至って富に目立つようだ。
竜虎相入れず故にお互いがつまらぬ損をしてきたと双方が自らの経営を見直してみる。自動車メーカーが系列の垣根を飛び払って部品調達を合理的に行うなどの話をもう一昔前のことだ。今は、きのうのライバルと株を持ち合うなど一例に、経営統合が毎日話題にのぼる昨今である。
竜虎が手を携えれば市場に敵なし、強いことこの上なしである。概ね効果はテキメンであり、だから後を絶たない訳である。
プロ野球の世界選手権ワールドベースボールクラシック(WBC)では日本が強豪国を破って優勝した。国内でのペナントレースではお互いによきライバル同士なのだが、お互いに持ち出し切ればこれほど強いものはない証拠を示した。この優勝軍団にとって皮肉なのは、優勝した翌日から「今日の友は再び敵となる」ことなのであり、指揮官にとってこんな複雑なことはなかろう。きのうの敵と経営統合、このほうが楽でいいかも…。
[06年3月27日付紙面から]
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- 「きのうの敵はきょうの友」最近目立つ経営手法 2006.03.27 月曜日