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社説 波紋

高騰する材料費、薄利多売できない中小企業

 材料費が上がり、その高い材料を使って造ったねじ製品や、ばね、あるいは歯車、ベアリングなどいわゆる機械要素部品業界は等しく材料費倒れの現象に見舞われている。

 さいきん公表された経済産業省の平成16年工業統計の数字をみるとボルト・ナット、ねじ、リベット製造業の製品出荷額8,286億円のうちの約半分弱の4千億円が材料使用額ということである。これに従業者に支払った約2千億円の給与を差し引くと2千億円も残らないことになる。

 昨今は材料が大幅に高騰しているのでもっと厳しい数字になるはずである。機械要素部品に限らないが、素材の高騰を吸収している業界などない有様-とすることができる。

 このように材料高に苦しむ部品で成り立っている自動車、電機メーカーなどでは「値段を落として数でそれをカバーしている」という訳だが、中小企業分野ではその手が使えないから苦しいのだ。

[06年3月7日付紙面から]


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