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社説 波紋

科学は万能ではない

 キャノンが連結益前期比14%増。純利益3900億円はトヨタ自動車やNTTドコモ、三大大手銀行と並ぶ好水準と羨ましい記事が載っている。

 ハイテクで騒がれた先端技術分野が競争激化で苦戦苦闘するなか、キャノンの一人勝ちとマスコミは書きたてている。よく見ると、その下の隅に「温風機事故の松下電器」の見出しがいたいたしい。ねじの需要産業のことが明暗を大きく分けて報じられるのは、実にいやな気がしてならない訳だが、先回にも述べたが科学は万能ではない。

 ジェイコム株のご発注問題で、みずほ証券は結局400億円の損失を背負いうこととなった。全くバカな話だが、科学を当てにして科学に頼り、科学に裏切られた結果で、誰を咎める訳にもいくまい。東証のシステムに責任有り...とか、システムの設計、施工をした富士通にも責任アルや否や...と。みずほ証券の担当者の単純なミスが端へどんどん広がり騒ぎが走りだしてそのゆくえが注目されている。

 ミスがあればその「ミス」で儲ける奴もいる。ジェイコム株を三千超保有し、ざっと計算しても10億円の利益が入るとか...。これはジェイコム株大量保有の証券会社数社の報告書から分かったことだが、どっちみちこんあことは我々には外のことで、係りのない話だが...。

第1989号


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