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社説 波紋

新製品、市場一人立ちまで10年

 新製品がヒットして市場で一人立ちするのには10年はかかる。ゆるみ止めねじ製品を開発しユーザーに認めてもらった製品がある。

 10年が経過してみると、よければ良いで10年の間に虎視たんたんのライバルメーカーにすっかり技術を失敬され、類似品が一夜にして出回る。生き馬の目のを抜く生産業社会の恐ろしさ。

 プラズマテレビがデジタル家電の旗手として派手な動きを見せてはいるが、どしどしねじや止め具を使ってくれればいいのだが、本体の価格が急降下しすぎて「あぶなくて手が出せない」と部品メーカーは言う。特許でライバルを抑えても、すぐ型や形式がめまぐるしく変るので特許のうまみでない。

 売る方は付加価値を追及したい。買う方は逆に付加価値は認めない。これで大企業は世界的なモノづくり国の旗頭のである。付加価値々々…といっている中小企業者を踏み台にして上半身の写真を撮って海外に配っているようなもの。よいものはよい、と認めてこそ本物の製品ができる。6月1日「ねじの日」来年はどういう年か。


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