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社説 波紋

トヨタ流の適正締め付け法

 トヨタ自動車の05年3月期の純利益が前年比1%増の1兆1700億円。1%増えても相当のメリハリとなる。だから購買担当は小さなことにも手厳しいのであろう。

 これがトヨタ流の適正締め付け法なのである。緩めたら最後、その収益基準は破壊するだろう。適正締め付けを逸脱すると関電の美浜原子力発電所のボルト折損のようなことにもなる。ボルト事故を防ぐ心得は、すべての経営につながる哲学といってもよかろう。

 トヨタの違い、それは経営施策(設計)の適正さであり、その所期目標を達成させるいわゆる適正締め付けも、何らかの欠如があったことは否めない重大要件をないがしろにした、怠慢のツケがハネ返ってきたもの。

 ボルトに関する事故やその遠因となるボルトの折損などは、その多くが適用側の設計ミス、あるいは使用上の締付不足などに原因がある。6月1日は「ねじの日」である。ねじなくして加工組立産業すべてが成り立たない。適正締め付けを切に願う次第だ。


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