社説 波紋
第2のバブルが日本本土に上陸
小型の勢力を保ちながら日本本土に上陸。これは台風ではない、第2のバブルといえそうな実態のない好況のことだ。
上場企業の3社に1社が増復配、約六百社の配当合計は三兆円という。どこからそんな金が湧き出てくるのか、ない袖をみんなが振っているとしか思えません。
もっとも、市場はニッポン放送乗っとりだのフジテレビに照準だの堀江騒動に刺激され、寝ている株がゆり起こされ「株式市場の春を知る」という昨今である。製品値上げを煽って止まらない鉄鋼業界、二社に一社の復配は誰が尻ぬぐいをするのか。黒澤映画の椿三十郎のセリフではないが「危ない危ないだぜ!」なのだ。
歴史は繰り返す訳だが、いわば現状がバブル期に戻りつつあるように思う。ITの盛り上がりがなんだったのか、設備過剰の四文字を残してハジけてしまったのだが、ハジケル以前に逆戻りしようとしている。いまの基幹産業の多くがおなじような傾向にある。
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- 第2のバブルが日本本土に上陸 2005.03.27 日曜日