現在位置: HOME > コラム > さゆり「おとなまえ」 > 記事



足元を見られる

「クサッ!!!」

あまり大きな声では言いたくないけど、思わず発してしまった言葉。
風の強い大雨の日に、どうしても出掛けねばならず久々に出したレインコートの雑巾臭。しまった……! と思いました。同時に、レインコートに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたね。

銀座に居れば必然的に沢山の着物を管理せねばなりません。桐の箪笥に収納するのは勿論の事、湿気が溜まらぬよう陰干しし、風を通す。季節ごとにクリーニングに出すメンテナンスを欠かせません。和装でなく洋装の時も同じ。煙草臭や汗染み防止の為、毎度手洗いやクリーニング。洗濯機は皺になるので使いません。せっかくのドレスやスーツを台無しにしない為でもありますが、見られる事も仕事の一環という意味でも、意識して仕事着を大事に扱います。しかし……、レインコートは気に留めていなかった。

「足元を見る・見られる」という言葉がありますね。仕事上の取引の時、靴の良し悪しで相手の格を判断する。つま先(靴)まで気が届いているかどうかは、短時間で相手を見抜く基準です。靴に焦点を当てましたが、靴に限った事ではありません。「弱みを見る・見られる」というのは、物をどれだけ大切に扱っているかなのです。

誰もが凄いと憧れ、嫉妬されるくらいの高級車で颯爽と走っていても、その車内が飲み物の缶だらけだったり、煙草の灰だらけだったりしたら??
生涯使えるボールペンや万年筆を持っていても、インクを取り換えず、ペン先を詰まらせて放置している様だったら??

物を大事にしないという事は、結局は人の事も大事に出来ない。だらしのない人なのです。今回、私自身、非常にだらしのない事をしてしまったので、そんな自分が偉そうに書くな、ってツッコミたくなります。お許しください。因みにレインコートは、洗剤で手洗いして干しました。使ったら毎度洗って干すのが基本です。撥水性、防水効果が上がるらしいですよ。

桜満開の春が過ぎ、梅雨に入るこれからの季節、雨具を使用する機会も増える事でしょう。貴方の傘やレインコートは、恥ずかしくないですか?





バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する