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いけおじ

イケてるおじさま、五木寛之さま。

本当にイケてると思います。彼の言葉には説得力と学びがあるから。人の話す言葉には、その人の考え方、性格、感情といった様々な情報が含まれています。作家とは自分の頭の中を文章に表現するのが仕事。その人がどういった人間であるのかが浮き彫りにされます。九十歳を迎えるにあたって彼は、ある雑誌のインタビューに答えていらっしゃいました。長い年月、活字と向き合ってきて、自分の生命線ともいえる「目」「耳」「口」が錆びつかないように自分なりに鍛錬している、と。

「目」は活字を読み書きする為に。そして「耳」「口」は人の話を聞いて喋る為にもっと大事だ……。作家にとってたとえ体が不自由になっても口が達者なら自分の考えを伝えられるわけですね。

『歳を重ねる事を恐れず、歳を重ねる事で何か違うものが見えてくるという楽しみの方が大きい。その好奇心が、僕の生きる原動力です――』

染みる……。そのお言葉、めちゃくちゃカッコいいです!!! 憧れますね。

さて、イケおじとは、本来四十〜六十歳の年齢で、どんなにカッコよくても七十代の高齢者はそう呼ばないらしいのです。じゃあ「イケてるおじいさま」? ……略したらどちらも「イケおじ」ではないですか。そもそも年齢で「おじさま」を括り切って良いのか? そんなのナンセンス! 私の流儀的に、見た目だけでなく人生経験が豊富で内面も魅力的な彼こそがイケおじ!! 程よい筋肉質で、スーツが似合って、金銭面で余裕があって、女性のエスコートも上手い清潔感のあるおじさま。そんなのザラにいます。前述した事も確かに重要ですよ。何故かというと、そういう事から恋愛に入る事もあるし、何かにつけて安心感もある。しかし、考えてみてください。いつかは皆しわくちゃになるし、色んな身体的機能が衰えてくるのです。なので、いくら歳をとっても考え方に芯があって、個性的で、面白みがある。そちらの方が何百倍も魅力的な「イケてるおじさま」だと私は思うんですね。そういう人と会ってみたいし、そういう人の話を聞きたい。

歳を重ねる毎に人生を振り返る事もしますが、過去は変わらない。それよりも未来の事を考えますよね。私は五木さまの本を手に取った時もいつも人生について考えます。このコラムを読んでくださっているあなたの「イケおじ」のイメージはいかに? 自分はどんな人生を歩んでいきたいと思われていらっしゃいますか?





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