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貴方の健康は誰のもの?

私の叔父はすい臓がんで亡くなりました。

京都大学出身で、大きな保険会社の役員というポジションにまで上り詰めた、俗にいうエリート。そんな会社も惜しまれつつ辞め、自分で会社を興す時でした。すい臓がんの進行ってとても速いのですね。叔父は目に見えて憔悴してゆき、あっという間に亡くなりました。社葬の時も新聞で叔父の名前を見た時も、全く実感がわきませんでしたが、こうして叔父の事を思い出し文字に起こすと目頭が熱くなります。

原因は「煙草」が大きいと思います。私が知る限りでも、お客様で亡くなられた方はすい臓がんが多いです。ストレスからの煙草、美味しく感じる嗜好品としての煙草、お付き合いでの煙草……色んな理由から吸われる方が多いと思いますが、健康が無ければ仕事は出来ない。叔父があんなにも大きな会社を辞めどんな事業をやろうとしていたのか、私には判りません。とても頭の良い人だったし人望のある素晴らしい叔父でしたから目標も実現するに近かったと思います。なにより、叔父には残された家族が居ます。

ホステスも、個人経営者なわけですから会社からの健康診断の案内なんて来ません。自分で健康診断を受けなければないし、お酒も煙草も「ほどほど」のラインを自ら決めて制しなければなりません。お恥ずかしい話ですが、お客様に「ご自愛くださいね」と申しておきながら、実は私こそホステスという職に就いてから健康診断を受けた事がありませんでした。周りの仲間もそうだし、調子が悪ければその時に病院へ行けば良い、そんな安易な考えだったのです。今年、ようやく健康診断を受けてみようと思い実行。血液検査や色んな項目の測定は大した事ないのですが、生まれて初めてバリウムを飲みました。……まぁ辛い事! 何ですか? あれは人間の飲むものではないですね。不摂生が多いから一年に一度受けようと決めたものの、その決心が揺らぐくらいの辛さでした。バリウムを飲んでから丸一日は気持ち悪かったです。でも……もしも悪いものが見つかるのなら早いに越した事はない。

貴方はいかがですか? お勤め人なら健康診断の案内が来ますよね。有り難い事です。どうか受診されてください。個人経営者も年齢に関わらずお受けになる事をおすすめします。貴方だけの身体ではない、後ろに背負ったものがきっと辛い健診の後押しになると思えば、受けたくなくても受けざるを得ない……ですよね?





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