抜きつ 抜かれつ
世の中は抜かれる事でまわっています。
ヘッドハンティングはママもホステスも黒服も優秀な人材であればどんどん引き抜かれていく世界。殿方でも優秀な人材はどんどん出世するし、いくらでも引き抜かれてより良い会社やポジションにつく事になります。では、一体どんな人物が優秀と呼べるのでしょう? 人には得意不得意があります。優秀な人材というのは、何かにたけている。オールマイティって一見いいように感じますが、私はジェネラリストよりもスペシャリストの方が凄いと感じる。何かたった一つ、誰にも負けない得意な事がある方が世の中から認められ、求められている。ニーズってそういうものなのです。
では、最近身近で感じた貴重な人材のお話をしましょうか。このコロナの影響で随分たくさんの飲食店が廃業に追い込まれましたよね。そんな渦中ではありますが、わざわざ足を運んでまで味わいたいと思えたレストランがあり、閉じこもってばかりも居られないな、という感じでそちらへお邪魔したのです。お店に足を踏み入れた感じが何か違和感。んん、何なんだろう? そして前菜が出てきて「……違う」確信しました。明らかに違います。「違う人……」パスタもメインのお肉も美味しい。確かに美味しいのですが、前とは次元の違うクウォリティ。それは、前菜の華やかさ、ソースの素材感、火の通し具合といった、ほんの僅かな差だと思うのです。……が、シェフが違うだけで、こうも違うのかと痛感しました。
料理は心だとはよく言ったもので、シェフのひた向きさや一皿に掛ける想いが感動レベルだったんです。食事自体はとても楽しく有意義なものだったのですが、思わず居なくなったシェフを探してしまいました。今は時代的にネットがあれば何だってだいたいの事は探せる時代です。便利ですね。すぐにヒットしました。あ、こちらに引き抜かれたんだな……。今度はここへ行こう。既に目星を付けました。
会社のカラーも利益も組織内の人が作っている。レストランもシェフの腕で常連客の多い少ないが決まる。銀座のクラブもホステスやママがどうかで繁盛具合や評判が左右される。
だから、どんな世界にも良い人材は引き抜きかれ、世の中に貢献し、経済を回していく。
引き抜きって、引き抜かれる側にとってチャンスであり成長できる貴重な機会なのです。
そこの優秀な殿方、貴方も是非自分の得意分野を伸ばしヘッドハンティングされてくださいな。
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- 抜きつ 抜かれつ 2022.11.07 月曜日