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人生とお金

「あれ、安かったんだ」「高いお店だね」

 モノの値段ひとつすら笑いにできる商売人の殿方。値段という概念自体を感じさせない殿方。同じスペックで、同じ年齢で、同じ職業で、貯金も同じ。さてモテるのはどちらでしょう?

 私は、言わずもがなお金の事を口にしない男性が良いです。いえね、傍から見ているぶんには面白いんですよ。値切って買ってなんぼの世界って。実際に、小銭を集めてお金持ちになっている人々を知っていますし……。でもやっぱり、男性には見栄を張って欲しい。恋人にアウトレットで買われたものを贈られたら正直がっくり来ちゃいますもん。贅沢な女? そうでしょうか? 価値観の問題でしょうが「釣りは要らねえ、取っときな。宵越しの金は持たねぇ」私が男性だったらそんな振る舞いをしたいですね。極端に言うと、男性がお会計でじゃらじゃらと財布から小銭を漁っている指先なんか見たくないんです。そういう女性って多いんですよ。小銭は持たないで! ……なんて、そこまでは強要しませんが、是非スマートにお願いします!

 さて、あるお客様、食事に行く時、物を買う時、常に「コスパ」を意識されてお金の事を口に出されます。毎回げんなりしちゃいます。三つ子の魂百までとはよく言ったもので、その方は幼い時からお金に関して苦労されています。父親の借金のせいで毎日酷い取り立てにあったそう。それが原因でお金に対する拘りが強くなってしまっているご様子でした。

 食事に行く度に会計の金額を見せられる。割り勘しようという意図はなくとも、超無粋に感じちゃいます。奢られたくないな〜って。もしその方が自分の係りのお客様でなく、その店のコスパ云々を語られたら「私、払いますよ」って言っちゃうな。そしてもう二度と一緒に食事しません。

 男性も女性の仕草を見て「この子良いな」「うわ〜、なってないな」と判断するように、私たちホステスはもっとシビアに男性の振る舞いと言葉の端々を分析しているのです。それが私たちのお仕事ですから。

 高い安い……、口に出す癖がついてしまっているなら危険です。では、どうしたらいいのか? お金の事に目を向けるのは当然だと思うけれど「手間暇かかっていて高級志向だ」という風に言い方を変えてみるのです。下品ではなくなりますよね。その人に対する見方が変わり、言葉が変われば徐々に自身もそれなりになってくるはず。

 あなたはお金の事、ふと口に出していませんか?





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