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持ちつ持たれつ

 「忙しくてお昼ごはん食べてない」毎日そんな忙しい貴方、お疲れ様です! お仕事に打ち込んでらっしゃって、心から尊敬します! え? 私達ですか? 貴方様ほどではないですが、バリバリ仕事に打ち込んでいる銀座ホステスというのも結構時間がないんです。お客様へのメール、イベントごとの案内状書き、土日はゴルフや会食のお付き合い、ご贔屓様の誕生日や昇進お祝いのプレゼント選び、ママや黒服、ホステス仲間とのある程度のコミュニケーション。私は二紙の新聞を購読していましたが、実際見る時間がほとんどなかった。新聞をゴミとして出す時、毎回もったいない気分になっていました。

 今は……、コロナ渦のおかげでじっくり読書する時間が増えています。本もそうですが、特に新聞をじっくり読むようになりました。人事欄にお客様の異動を発見したり、セミナーやイベント開催の写真にお客様のにっこり微笑むお顔を拝見すると、なんだか嬉しい気持ちになります。「隣で会話し、一緒にお酒を飲んだあの方が活躍され続けている」そう思うと自分も頑張らなくては、という気分になるものです。

 よく「銀座に活力を貰いに来たんだ」なんてお優しい言葉をかけて下さるお客様いらっしゃいました。お客様が銀座で飲むことによってモチベーションを上げたり、仕事のストレス発散をしたりできている。おこがましい言い方になってしまいますが、私たちやお店が精神面でお客様の糧となっていると思うと、それが心からの励みになった。銀座で仕事させて頂く意味をしみじみと感じていたものです。

 そうできない今、私は活躍されているお客様の名前やお顔を新聞やテレビで拝見することによって、生きる気力とパワーをいただいている事に気付いています。「お顔拝見したいです」という営業メールは出来ない代わりに「新聞で貴方のお名前を拝見しました」と何気ないメールを送る。お互いに再び繋がりを感じる事が出来ます。

 銀座の在り様が変わっていく中で、銀座ホステス自身も変わっていかねばなりません。大人の社交場で交流出来ない今、自分には一体何ができるだろう? 新しい「持ちつ持たれつ」の関係を見出さなければと考えています。





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