「金の切れ目は縁の切れ目」
お金って大事。金の亡者でなくとも、みんなお金は大好きです。銀座と言う場所は夜な夜な大きなお金が動く街。そういう場所で知り合うお客様とホステスの間柄は「お金」で成り立っているのが事実です。お金を払ってクラブに飲みに行く。目当てのホステスさんに逢いに行く。いやらしい言い方になりますが、私たちはお金を遣ってくれるからこそアナタの事が大好き。事実、生活を支えて下さるからこそアナタの事が大好き、なんです。
よく耳にするのが「あの子と連絡取れなくなった」。よくよくお聞きすると「お金を貸した」らしい。ある程度まとまったお金を貸した後に、ホステスが消える。住所は勿論、本名すら知らない。これはよくある事。おこがましながら、ちょっとした教訓として、ホステスやママにお金を貸すという事は、あげるも同然のつもりで渡せる額にしてくださいネ。それが賢明かと。
さて、あるIT企業の社長様、アルコールが飲めないけどクラブ活動が大好き。その人の元々の性格にシラフという要素がプラスされ、余計に冗談が通用しない。ホステスの言った言葉を鵜呑みになさる。褒め言葉は「優しいですね」がしっくりくる。そう、良いヒト。ホステスにとってはまさに都合の良いヒトなんですね。お話を聞かせて頂いていると、お金を貸したホステスの住所を調べて行ったら男性と一緒だったり、総務さんから指摘を受けるほどクラブ通いに経費をつぎ込んでしまったり。そういうお金絡みのちょっとした事件が出るわ出るわ……、同じ事を繰り返されています。勿論、お席では「まぁ酷い」「悪い女に捕まりましたね」と私たちは親身に憐れむでしょう。でもシリアスな表情でお話しされたら、内心引いちゃいます。騙した、騙されたというレベル以前に、情けなさ過ぎるなぁって。その方の境遇をなぞると、女性の居るお席のデビュー(クラブデビュー)も遅かった事が判明しました。なるほど、お年を召されてから蜜の味を知りハマってしまった厄介なパターン。女性に対する免疫が無いように感じるのも当然ですね。経験があり大人の事情が分かっている殿方なら「俺は葱しょってきた鴨なんだよ」くらいサラリと言えるしスマートな飲み方ができるけれど……残念ながら、その社長様には到底無理です。ある程度の経験って、仕事に限らず必要なんですね。金の切れ目は縁の切れ目、ホント、それが現実なんです。
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- 「金の切れ目は縁の切れ目」 2021.04.07 水曜日