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一杯五万円のオレンジジュース

 お店のシステムについて、昼間では考えられない事が沢山あります。その一つが料金。言ってしまえば店のオーナーや担当のホステスのさじ加減で決まっちゃうんですけどね。「新宿でぼったくりに遭った」なんて時折ニュースで取り上げられていますが、銀座でそう言う言葉はなかなか聞きません。何十万円という金額を支払うのに、銀座と別の地域の飲み屋では言われようが違う。それってやっぱり場所柄ですよね。どこまでがぼったくりなのか。会計伝票を見ながら毎回思っちゃっていました。

 伝票の話をすると、ぱっと見てチンプンカンプンです。上のセット料金が一万なのに、伝票の下を見ると色んなチャージが付くからです。AC=オールチャージ、TC=テーブルチャージ、BC=ボーイチャージ、SC=サービスチャージ、HC=ホステスチャージ……。だから実際支払う金額は一万円の四倍にも五倍になり得ます。またカードで払えばだいたいのお店がカード手数料を取ります。現金かツケ(請求書)が多少なりともお安くなりますよ。酒代はさして差なんて無いんです。店の儲けはさることながら、ホステスの人件費や店の家賃代の為、高額な料金設定になっているのです。お客様にしてみれば、そんな高いお金を払ってクラブで飲むからにはそれなりの付加価値がないと意味がありません。社用族が大きな割合を占めるこの街で、大きな仕事が得られるならば接待費が膨らんでも意味がある。しかし最近は接待も一軒目の食事のみで、二軒目の飲み屋に流れるパターンは減っていると聞きます。幸い、私が居たクラブでは社内の身内飲みのお客様も多かった為、景気良いなぁ、なんて思う事が多かったです。業界や会社間での交際費の差が大きいんですね。

 中にはお一人で来られ、ソフトドリンクを一杯だけ飲んで帰られる方もいらっしゃいました。そう言うお客様はだいたいオーナー社長さんや会長様で、ご接待でなく担当ホステスさんの同伴や売上げの為時間を割いて来られていましたね。そのお店が座って四万円以上のお店なら、オレンジジュース一杯を飲んで、ホステスと十五分話しただけで約五万円のお会計……。あぁ、どれほど美味しいオレンジジュースなのでしょう!

 味わって飲まないと勿体無いですね。





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