IDF・BRIDGES、「ストップ糖尿病」に資金援助
【ブリュッセル、クレイトン(オーストラリア)14日PRN=共同JBN】国際糖尿病連合(IDF)BRIDGESトランスレーショナルリサーチ(臨床応用)援助計画は、オーストラリアで実施、研究される「ストップ糖尿病」プロジェクトに資金を提供する。このプロジェクトは健康的な生活習慣を奨励することで女性の2型糖尿病のリスクを減らすことを目指している。
ストップ糖尿病プロジェクトは、2型糖尿病、妊娠糖尿病(GDM)などライフスタイルに関連する代謝性疾患の急増に対処するため、「ジーン・ヘールズ女性健康財団」の研究員たちが立案した。研究員たちによると、不健康な生活習慣を正せるような生活習慣の変更を妨げる障害を特定するためには、こうした予防可能な病気に対する認識を高めることが必要である。この研究には女性の健康に対する信念、態度、リスクの認識についての理解と病気に対する女性の反応に注目することが含まれている。教育と研究結果のトランスレーション(応用)がこのプロジェクトの優先事項となる。
IDFによると、代謝症候群(メタボリックシンドローム)は2型糖尿病と心臓疾患にとって最も危険なリスク要因群である。予防のためには早期発見が非常に重要である(1)。代謝症候群のような健康問題を女性がどのように考えているかを理解することは、効果的な教育計画設計に不可欠な第一歩である。
ジーン・ヘールズ研究グループの責任者であるヘレナ・ティード教授は「(糖尿病予防、治療の)臨床介護に直接かかわる多分野研究のサポートにとってIDFの資金援助は重要な貢献である。これによって高リスクグループの糖尿病予防のための重要な研究ができる。また糖尿病であることが確認された人の健康最適化について重要な情報を提供することになる」と語った。
IDFはBRIDGESを通じて、研究結果を健康管理提供者が質の高い介護、サービスを提供するための有益な行為に応用することにコミットしている。オーストラリアで試験されるこの糖尿病教育計画は、革新的なアイディアであること、健康管理コスト節約の可能性があること、持続的な計画であること、結果がほかの状況でも広く応用できる機会があることによって、ほかの10件のトランスレーショナルリサーチ・プロジェクトともに援助対象に選ばれた。
IDF・BRIDGES審査委員会のリンダ・シミネリオ委員長は「早期発見とそれに続く治療と教育-特にライフスタイル教育-が代謝症候群の進行を止め、女性の将来の健康を守るために極めて重要であることがわかっている。女性がリスクをどのように考えているかについてより多く学ぶことが重要なステップであるストップ糖尿病研究はわれわれが知見と重要な情報を獲得する助けになるだろう」と述べた。
IDFはイーライリリー社からの教育資金援助でBRIDGESを独自に運営しており、世界で糖尿病の介護、予防、治癒を促進することにコミットしている。
(注)IDFは約2億5000万人にのぼる世界の糖尿病患者のための世界的な擁護組織である。160カ国以上にある約200の糖尿病協会の代表組織である。その任務は世界で糖尿病の介護、予防、治癒を促進することである。IDFは世界保健機関(WHO)と公式関係のあるNGO(非政府組織)で国連広報部の提携NGOである。IDFは「世界糖尿病デー」キャンペーンを指揮している。詳しい情報はwww.idf.orgへ。
BRIDGESはIDFの世界的なトランスレーショナルリサーチ援助計画である。糖尿病の予防と管理のために現実世界で採用できるようなコスト効率のよい持続可能な方法をサポートする提案を募集している。応募するプロジェクトは、糖尿病の予防と治療、1型、2型の糖尿病の介護の改善、合併症の発症遅延に効果があることがすでに試験で証明されている方法に基づいていなければならない。提案する方法は臨床行為、個人、共同体に広く普及する可能性があるものでなければならない。詳しい情報はhttp://www.idfbridges.orgへ。
ジーン・ヘールズ女性健康財団は独立した非営利の全国組織で、教育、研究、臨床介護を通じてオーストラリアの女性の健康、福利を目指している。本部はビクトリア州クレイトンにあり、モナシュ大学と緊密な関係にある。詳しい情報はhttp://www.jeanhailes.org.auへ。
(1)代謝症候群-IDFコンセンサスによる新たな定義。ランセット2005年。
(共同通信PRワイヤー)
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- [国際情報]IDF・BRIDGES、「ストップ糖尿病」に資金援助 2008/05/14 水曜日