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NECと東工大が世界最速最長の光インターコネクト技術を開発

 日本電気(NEC)と東京工業大学(東工大)は18日、次世代のペタフロップス級スーパーコンピュータに不可欠となる、LSI1個あたり毎秒20テラビット(20Tbps)クラスの超高速大容量なデータ伝送を実現する光インターコネクト技術の開発に成功したことを発表した。

面発光レーザーを用いた世界最速最長の光インターコネクト技術を開発.jpg

 今回開発した技術は、面発光レーザーによるLSI間や装置間の光インターコネクションにおいて、世界最速毎秒25ギガビット(25Gbps)で世界最長100メートルのデータ伝送を実現する技術と、1個のLSIの周囲に1000信号分の光モジュールを高密度に実装する技術。

 これらの技術を、2010年頃の最先端LSIに適用することで、20Tbps程度の大容量の信号の入出力を、わずか10センチ角以内のプリント基板上で行うことが可能になる。これは、業界標準の光モジュールであるSFPを用いた場合の伝送容量と比較すると、約1000倍。次世代のスーパーコンピュータのLSI間や装置間の超高速大容量データ伝送が、省エネ、省スペースで実現する。

 今回の成果は、2006年3月に発表した「世界最速となる25Gbps動作の面発光レーザーの開発」(http://www.nec.co.jp/press/ja/0603/0702.html)、2006年9月に発表した「次世代のスパコン内のチップ間光配線に不可欠な超高密度実装技術を開発」(http://www.nec.co.jp/press/ja/0609/1501.html)に続くもの。

 2010年頃の次世代スーパーコンピュータの実現には、装置を構成する複数の最先端LSI間を超高速大容量でデータ伝送する必要があり、その頃には最先端LSIの1信号あたりのデータ伝送速度は20Gbpsを超え、入出力する信号数は1000信号程度となることが予想される。この最先端LSIの間を、電気信号だけでデータ伝送することは、電気の伝送ロスが大きいため非常に困難とされており、LSIの入出力信号を伝送ロスの少ない光信号に変換し、データ伝送する技術の開発が急務となっている。

 NECと東工大は、2005年から2007年までの3年間、文部科学省の「将来のスーパーコンピューティングのための要素技術の研究開発」における「超高速コンピュータ用光インターコネクションの研究開発」という研究課題に参画し、共同研究を推進してきた。

 今回の開発した技術は、次の通りです。

 (1)光モジュールによる高速動作・信号伝送の技術を開発・実証
 1信号あたり変調速度25Gbpsで動作する面発光レーザーと対向する面受光素子、および、これらの光素子を動作させるための光送受信ICを開発。これらの光素子、およびICを実装した光モジュール間を100メートルのマルチモード光ファイバーで接続し、25Gbpsの速度で伝送させることに成功。本伝送技術は、光素子、光送受信ICと光ファイバーの設計回路モデルを統合し、光と電気をひとつの信号として取り扱う光電気統合設計の手法の開発により実現。

 (2)LSI周辺における1000信号分の光モジュール実装技術の開発・動作検証
 プリント基板上に搭載したLSIの周り10センチ角以内の領域に、超小型光モジュールを1000信号分実装する技術を開発。本技術は(1)LSIと光モジュール間の電気配線にダイアゴナル構造を用い、伝送ロスを低減、(2)幅5ミリ×長さ7ミリ×高さ5ミリで光素子と光配線の結合効率を高めた超高密度光モジュール(12信号)開発―、したことにより実現。

 NECおよび東工大は、今回開発した技術を次世代のスーパーコンピュータをはじめ、大容量化が進むサーバーやネットワーク装置にも広く適用していくため、今後とも光インターコネクト技術の積極的な研究開発活動を推進していくとしている。


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