最小実装面積の高速Wi-Fiチップ、メディアテック社が発表
【新竹(台湾)31日PRN=共同JBN】無線通信とデジタル・マルチメディア・ソリューションの大手ファブレス半導体企業である台湾のメディアテック社(MediaTek Inc.)は31日、モバイル、ポータブル機器向けに最小の実装面積、最も長時間のバッテリー寿命でインターネット接続とピアツーピア(P2P)のマルチメディア共有を可能にするよう設計された最新のWi-Fiチップを発表した。このメディアテックMT5931は802.11n Wi-Fi MAC、ベースバンド、無線、組み込みCPU、電源管理ユニットを極めて小型サイズで電力効率のいいシングルチップに統合して、さまざまなモバイルもしくはポータブル機器の中で高まる高速接続性要求に応える最高のソリューションにする。
メディアテックMT5931シングルチップSoC(システムオンチップ)は、チップスケール・パッケージでサイズが9mm^2以下であり、ワンチップにパルス増幅器(PA)、低雑音増幅回路(LNA)、送受信(T/R)スイッチを統合して、いくつかの外付け部品とのコンパクトな設計を求めるアプリケーションに最適となる。時空間ブロック符号(STBC)、Wi-Fi Direct、ホットスポット・モードなど最新のWi-Fi機能は、Wi-Fiインフラストラクチャーにおける弾力的な変化に対応するよう完全にサポートされて、最高のユーザー体験を提供する。
メディアテック無線接続事業部門ゼネラルマネジャーであるSR・ツァイ氏は「メディアテックはさまざまなポータブル、モバイル機器向けに高度統合 Wi-Fi SoCソリューションを提供する有力企業のひとつである。MT5931は業界一流の要求、すなわち長寿命バッテリー、プリント基板(PCB)設計で最高レベルの柔軟性を得る非常にコンパクトな実装面積、低システム製造コストなどに対応するよう設計されており、さまざまな分野の家電機器向けに手ごろな価格でWi-Fiを実現する。MT5931の発売によって、在来型の家電機器は最低限の設計・製作努力でWi-Fi利用可能なスマート機器に容易に移行することができる」とコメントした。
MT5931は現在、大量発注する大手顧客向けに量産、出荷する状況に入っている。
MT5931製品のハイライトは以下の通り。
*オールインワン無線LAN SOCソリューション(MAC/ベースバンド/無線)
*シングルバンド2.4GHz IEEE Std 802.111(商標) b/g/n互換
*IEEE Std 802.11(商標)d/e/i/k/r/w機能
*最大150Mbpsデータレート(HT40)のシングルストリーム801.11nサポート
*PA、LNA、T/Rスイッチのシステム上統合
*統合32-bit RISプロセッサー
*SDIO V2.0(50MHz、4-bitおよび1-bit)およびSPIホスト・インターフェースのサポート
*統合OTP機能付きカリブレーション・フリー
*最大8クライアントまでのWiFiダイレクトをサポート
*WMMおよびWMM-PSサポート(QoS)
*1/2/3-wire ブルートゥース共在インターフェース・サポート
*最先端セキュリティーおよびセットアップのサポート
WPA(商標)/WPA2(同)(企業、個人向け)暗号化、認証サポート
高速データ暗号化向けのWEP、TKIP、AES、WAPI(WAI/WPI)ハードウエア・エンジン
Wi-Fi保護セットアップ(WPS)サポート
▽メディアテック社(MediaTek Inc.)について
無線通信およびデジタル・マルチメディア・ソリューションの大手ファブレス半導体メーカーである。同社は無線通信、高解像度テレビ、光学ストレージ、DVD、ブルーレイ向け製品向け最先端SOCシステムソリューション開発の市場リーダーおよびパイオニアである。同社は1997年に創立され、台湾証券取引所に証券コード「2454」で上場している。同社は台湾に本社を置き、中国本土、シンガポール、インド、米国、日本、韓国、デンマーク、英国、ドバイに販売と研究開発の子会社を持っている。詳しい情報はウェブサイトwww.mediatek.comを参照。
前後の記事
記事バックナンバー
- [国際情報]最小実装面積の高速Wi-Fiチップ、メディアテック社が発表 2011/11/01 火曜日