景気足踏み深刻、2番底懸念高まる、ファニーメイ9月経済展望
【ワシントン19日PRN=共同JBN】米連邦住宅抵当公庫ファニーメイ(OTC BulletinBoard: FNMA)のエコノミックス&モーゲージ・マーケット・アナリシス(EMMA)・グループが19日公表したリポート「2011年9月経済展望」によると、米国経済は転換期を迎えており、第二次世界大戦後最悪の景気後退から2年余りして緩やかに回復した後、新たな景気低迷に向かった時のように見える。景気回復の脆弱さから何らかの新たな打撃を受けており、経済は景気後退へと逆戻りする事態になりかねない。あり得る打撃とは欧州の財政困難の進化、特に中国など新興国経済の劇的減速、再び石油価格の高騰に向かわせる中東諸国の新たな不安などである。経済展望予測は2012年を通じて2%以下の低成長が続くのではないかと予測しており、失業率を引き下げるほど十分な力はなく、EMMAは失業率が来年の大半を通じて9%以上にとどまると予測している。
所得データが示すところでは、消費者が7月および8月にやや活力のしるしを見せて、第3四半期の経済成長は穏やかに加速した。これは主として今春の日本の大震災後、供給チェーンが常態を回復したことによる自動車販売増に起因する。しかし、消費者の信頼がなお薄れていることから、個人消費のリバウンドはなお続くだろう。
ファニーメイのチーフエコノミストであるダグ・ダンカン氏は「弱体化する経済状況、引き続き高い失業率、2番底の恐れが、住宅市場に陰を投げかけている。同様に、ファニーメイ全国住宅調査の回答者は、引き続き住宅賃貸の方向に心を移し、住宅所有の気持ちから離れていることを示したが、このような常態は少なくとも当面は続きそうだ。第2四半期には、米国市民の26%が安定した職業について心配している。失業中の世帯9%を含めると、あり得る労働力の3分の1以上が雇用状態について心配していることになる。これでは住宅需要に対してとても大きな支持になり得ない」とコメントした。
住宅購入は、住宅ローン利率が記録的に低率であり、物価がこの10年で最低の水準にあるにもかかわらず消極的なままである。新築住宅と中古住宅の販売は7月に落ち込み、1戸建て住宅の着手もまた同月に落ちた。1戸建て住宅建設費は同様に落ち込んだが、集合住宅建設費は大規模投資家の関心を得られ始めたことから上向いた。集合住宅市場コメンタリーは、2011年上半期に増加した集合住宅住宅ローンへの関心を示すデータに対する経済開発コメンタリーのリンクから閲覧できる。
「2011年9月経済展望」のオーディオ版は、ファニーメイのウェブサイト(http://www.fanniemae.com)にあるEMMAサイト(*)のポッドキャストで聴取できる。またこのサイトでは、経済動向に関するコメント、景気予測、住宅予測も含め2011年9月経済展望レポートの全文を読むことができる。
(*)EMMAサイト:
http://www.fanniemae.com/media/economics/index.jhtml?p=Media&s=Economics+%26
+Mortgage+Market+Analysis
ファニーメイのエコノミックス&モーゲージ・マーケット・アナリシス(EMMA)・グループの見解、分析、推計、 予測およびその他の見方は、ファニーメイの事業展望あるいは期待される結果を示唆するものとして解釈されてはならず、多くの仮定に基づくもので予告なしに変わり得る。ファニーメイはこの情報に影響を与える多数の要因に依拠している。EMMAグループは信頼できると思われる情報に対するEMMAの見解、分析、推計、予測もしくはその他の見方に基づいているが、これら資料で提供される情報が正確かつ受け入れられるものであり、すべて特定の目的に適していることを保証するものではない。これらの見方を強調する仮定もしくは情報の変更は、実質的に大きく異なる結果を生み出しうる。EMMAグループが公表する分析、見解、推計、予測あるいはその他の見方は、示された日時でのグループの見方を表しており、ファニーメイとその経営者の見方を必ずしも示すものではない。
ファニーメイは手ごろな価格の住宅を拡大し、米住宅市場に寄与するために世界の資本を地域コミュニティーにもたらすために存在する。ファニーメイは連邦憲章を持ち、米国の二次抵当市場で業務活動を行ってモーゲージ・バンカーやその他の貸し手に資金を供給することでモーゲージ市場の流動性を強化し、住宅購入者に貸し付けを行う。ファニーメイの業務は米国で住宅を保有する人々を支援することである。
ツイッターのフォローはhttp://twitter.com/fanniemaeを参照。
前後の記事
記事バックナンバー
- [国際情報]景気足踏み深刻、2番底懸念高まる、ファニーメイ9月経済展望 2011/09/22 木曜日