アブダビ首長国、都市計画を重視
【アブダビ19日PRN=共同JBN】新興諸国の都市部の急成長には展望と計画がほとんど伴っていない。経済の拡大に伴い、雇用と成功を探し求めて人々がますます都会や都市部に吸い込まれ、その結果として野放しの開発、建築基準の軽視、劣悪な都市のスプロール現象に陥りがちである。
しかし、アラブ首長国連邦を構成する7首長国の一つで、首長国連邦の首都があるアブダビでは、市当局が上質な市サービスを伴う組織と賢明な規制を特徴とする未来へのビジョンを提示している。
アブダビの都市局(Department of Municipal Affairs)およびアブダビ、アルアイン、西部地区の3市当局は「都市の景観アブダビ2010」(Cityscape Abu Dhabi)でプロジェクト30件を公開する。
なかでも重要なプロジェクトは、首長全土で建設基準コードの改善し、より長寿で高エネルギー効率を伴う費用効果のより高い建築構造を開発する新規の建築基準法である。
同基準法はアブダビ市の新住所システムによってサポートされ、最新のミュニシパル・スペーシャル・ソリューションズ・インフラストラクチャー(MSSI)が地理空間データを照合するために稼動することによって、拡大し続ける首都に最新で明確かつ簡潔な道路標識を提供する。
同市のサービスは、2010年中に新たに12カ所の公園を追加するほかパブリック・ビーチとレジャー施設を提供するコーニッシュ・ウオーターフロント開発をなどの充実した都市生活を楽しむことに重点を置いている。
アブダビ首長国第2の都市であるアルアインでは、新規道路、公園、シティーセンターの景観と最も厳しい国際衛生基準に合致する公衆トイレ132カ所の追加が計画されている。
西部地区では、デラマビーチにある一連の家族施設の新規設計のほかに、この砂漠地域を持続可能な高品質のグリーンスペースに転化することを目的としたランドマーク開発であるリワのザイードパークなど新規の都市公園が計画されている。
新規のプロジェクトおよびサービスは最新鋭のスタンドに展示される。市当局が提供するこれらサービスの文化と福利を守りながらも外部からの影響を受け入れるメンブレイン(膜面構造)をテーマとして、スタンドには訪問者がアブダビ上空を飛び交ってアブダビの未来の全景を望むことができる4Dバーチャル映画館も含まれている。
都市局のラシド・ムバラク・アル・ハジェリ局長は「われわれはアブダビを住むにも働くにも卓越した首長として構築に向けての現在までのわれわれの成果を大いに誇りにしている。われわれが作った『都市の景観』とハイテク・スタンドによって、地域および世界からの訪問者がわれわれの成しえたことと、われわれが可能な限り最善の方法で仕事を推進していく意向であることを、来て見ることができる」と語った。
▽都市局(Department of Municipal Affairs)について
都市局(DMA)は、首長国の都市システムを統合するとのアブダビ最高評議会の決定を受け、2007年5月から業務を開始した。都市局は新行政機関として、アブダビ、アルアイン、西部地区の3市を指揮・調整・監督するために創設された。都市局は規制面の役割を果たす一方、サービス提供や実務は各市レベルで行われる。
都市局は2008年5月5日、アブダビ、アルアイン、西部地区の当局とともに、DMAと3市当局がより一層の協調・協力に向けて提携する歴史的な市憲章に調印し、新たな市サービスを開始した。
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- [国際情報]アブダビ首長国、都市計画を重視 2010/04/20 火曜日