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新幹線脱線対策3月末までの進捗状況公表=国交省鉄道局

 国土交通省鉄道局は19日、新幹線脱線対策の今月末までの進捗状況(見込み)を公表した。山岳トンネルや高架橋の構造物耐震対策が19年度末までに概ね完了したほか、早期地震検知システムの充実、脱線・逸脱防止対策の取り組みが実施される。詳細は次のとおり。

【構造物の耐震対策】
 ▽山岳トンネル
 活断層と交差している6トンネルについては、裏込注入工、ロックボルト工等の対策を19年度末までに完了。
 ▽高架橋
 阪神・淡路大震災を契機に実施している高架橋の耐震対策について、実施計画の前倒しを実施し、高架下利用カ所の一部を除き19年度末までに概ね完了。

【早期地震検知システムの充実等】
 ・初期微動P波を検知し警報発信までの時間を約3秒から約2秒に短縮(18年度完了)。
 ・地震計を132カ所から188カ所に増設(18年度完了)。
 ・車両に新たに停電検知装置を設け、非常ブレーキの動作に要する時間を約1秒短縮(JR東日本の対象132編成、21年3月末までに完了予定)。
 ・車両のブレーキ力を増大することにより、非常ブレーキ距離を短縮(JR東海、JR西日本において、19年7月より新形式営業車(N700系)に順次導入)。

【脱線・逸脱防止対策】
 ▽逸脱防止対策
 ・JR東日本において、19年1月より車両側の対策としてL型車両ガイドを設置(対象132編成、20年8月までに完了)。
 ・地上側の対策として19年2月よりレール継目部の強化を実施中(対象1716カ所のうち781カ所完了予定、23年度中に全箇所完了予定)。
 ・スラブ軌道用(直結8型)レール転倒防止装置について開発を完了。
 ・JR西日本において、21年3月より地上側の対策として逸脱防止ガードの本線試験敷設を実施。

 ▽脱線防止ガードと逸脱防止ストッパによる脱線・逸脱防止対策
 ・JR東海において、18年10月より地上側の対策として脱線防止ガードの機能確認等を実施し、更に、施工方法等に関する試験を実施中。
 ・18年10月より車両側の対策として逸脱防止ストッパの機能確認等を実施中。

 新幹線脱線対策は、平成16年新潟県中越地震における上越新幹線の脱線事故を踏まえ設置した「新幹線脱線対策協議会」において、施設面、車両面で当面とり得る対策の可能性等について検討を進め、17年3月に中間とりまとめを行い、それに基づき関係者により、順次、対策を進めている。


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