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配電網ヨーロッパグリッド計画、イメラ社がEU支援で開発

 【ダブリン(アイルランド)2日PRN=共同JBN】イメラ社は2日、北海と大西洋との間に配電網を建設して、汎欧州オフショア配電網の基軸として主要市場と洋上風力発電地帯に接続すると発表した。ヨーロッパグリッド(EuropaGrid)と呼ばれるこの配電網は、真に欧州を統合する電力市場の開発を可能にし、電力供給の安全保障を大きく強化する。

 イメラのこの計画は、欧州連合(EU)による相互接続(配線)強化の諸計画を含む50億ユーロの景気刺激策発表に次いで公表された。

 イメラ社のローリ・オニール最高経営責任者(CEO)はEUの発表をコメントして、「北海配電網の開発推進には2つの主要な要因があり、一つは優先課題として欧州全域の相互接続強化に対するEUの呼び掛け、もう一つは2020年までに必要なエネルギーを再生可能な資源から20%を取得するというEUの目標である。当社のヨーロッパグリッドは欧州における国境を越えた相互接続強化を早期に進めるばかりでなく、再生可能な発電開発に大きな成長を可能にする」と語った。

 イメラのヨーロッパグリッド・プロジェクトは2つの配電網で構成される。

 -ヨーロッパグリッド・ノースシー スカンジナビア、欧州西部、英国を結ぶ。この第1段階には27億6000万ユーロを投資する。
 -ヨーロッパグリッド・アトランティック 英国、アイルランド、フランス、スペインを接続する。この第1段階の投資額は16億5000万ユーロ。イメラは既にこの建設を開始しており、初のケーブルが2010年に運用される。
 ヨーロッパグリッド・プロジェクトがEUに及ぼす主要な利点は以下の通り。
 -電力市場の一元化がエネルギー供給の安全保障を確保し、競争力を強め、EU内部のエネルギー取引がより効率的になる。
 -洋上発電との接続が、既存および革新的な送電技術とともに再生可能な技術とプロジェクトの開発に拍車がかかる。
 -多くの風力発電デベロッパーが現在直面するグリッドへの接続の問題は解決し、これら大規模な洋上風力発電地帯から供給される電力の流れの安定化を助ける。
 -イメラが民間セクターのデベロッパーとして、自社の開発コストの手当をするため、納税者や電気利用者にコスト転嫁は一切ない。

 イメラは海中電力の相互接続、送電グリッドの開発を専門とする資産投資会社であり、最近はアイルランドと英国を結ぶ初の相互接続でEUの承認を得ている。イメラは現在5つのライセンスを保有して、アイルランドと英国、フランスと英国、ベルギーと英国との間の相互接続を積極的に進めている。これらプロジェクトはヨーロッパグリッドの基盤となる。

 オニールCEOは「当社は民間企業であり、多くの規制を受ける組織より速く、安価なコストで配電網を建設することができる。当社はまた親会社のオーシャンティームを通じて、専門的なケーブル敷設船の大船団や海上エンジニアリング知識へのアクセスを持っている。ヨーロッパグリッドは欧州における電力の将来を担っていると信じており、それを実現する社内の専門知識、技術的知識、組織的能力を当社は持っている」と語った。イメラは現在ヨーロッパグリッドの第1段階の開発の資金手当てのため1億ユーロ余りを調達している。

 イメラは競争者と比べて時間や技術上の障壁に直面しておらず、EUの50億ユーロの景気刺激策の一環として設定された相互接続計画に対する3年間の期限内にプロジェクトを完了することができる。このことは欧州が電力市場の一元化の恩恵を得て、EU諸国全体で洋上の再生可能エネルギーからの電力を利用できることを意味する。
 イメラ社の詳しい情報は、http://www.imerapower.comを参照。


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