シルバーライト2が利用可能に、マイクロソフトが発表
【レドモンド(米ワシントン州)14日PRN=共同JBN】マイクロソフト社は14日、ウェブ・ブラウザーを通じてアプリケーションとメディア体験を創造、提供する業界で最も包括的かつ強力なソリューションのひとつとなるシルバーライト2(Silverlight2)が利用可能になったと発表した。シルバーライト2は広範囲の新機能とツールを提供し、設計者やデベロッパーはこれまでより容易にアクセスでき発見可能で確実なユーザー体験を生み出しながらこれまで以上のコラボレーションが可能になる。
マイクロソフトはまた、(オープンソースを開発する)エクリプス財団の統合開発環境(IDE)とともに先進的シルバーライト開発能力に資金提供し、マイクロソフト・パーミッシブ・ライセンス(Ms-PL、最も制限の緩いマイクロソフトのソースコード・ライセンス)のシルバーライト・コントロール・パック(SCP)で新しいコントロール手段をデベロッパーに供給することによって、オープンソース・コミュニティーをさらに支援すると発表した。
マイクロソフトの.NETデベロッパー部門担当副社長であるスコット・ガスリー氏は「われわれはちょうど1年前にシルバーライトを開始し、既に世界の消費者4人に1人はあらかじめインストール済みのシルバーライトでコンピューターにアクセスしている。シルバーライトはデベロッパーや設計者がウェブ上のアプリケーションを構築する方法で大きな改善を示している。今回のリリースはシルバーライト、ビジュアルスタジオ、マイクロソフト・エクスプレッション・スタジオをメディア体験とリッチ・インターネット・アプリケーション体験の創造と提供の抜群のソリューションにするための当社の努力を一段と加速する」と語った。
シルバーライトの採用は急速に伸び続けており、一部の国では50%に近づくほど浸透し、150のパートナーと数万のアプリケーションを含むエコシステムに成長している。2008年北京オリンピックの開催中、NBCオリンピック・ドットコム(NBCOlimpics.com)はシルバーライトの力を借りて、5000万以上のユニークなビジターを得て、13億のページビュー、7000万余りのビデオストリーム、6億分間のビデ鑑賞を記録し、サイト上での平均閲覧時間(3分から27分へ)が伸び、米国におけるシルバーライトの市場浸透は30%以上増加する結果となった。フランス(フランス・テレビジョン)、オランダ(NOS)、ロシア(suportbox.ru)、イタリア(RAI)の各放送局もまたシルバーライトを選択して、オンラインでオリンピックをカバーした。さらにCBSカレッジスポーツ、ブロックバスター、ハードロックカフェ・インターナショナル、ヤフー・ジャパン、AOLLLC、トヨタ自動車、HSN、テンセントなど有力企業が、シルバーライトを利用してそれぞれの次世代体験を構築している。
CBSインタラクティブスポーツのゼネラルマネジャー兼デジタルプログラミング・サブスクリプション担当副社長のトム・ブフォラーノ氏は「CBSカレッジスポーツネットワークは、当社公式アスレティックパートナーである150以上のカレッジや大学向けに、年間2万時間余りのライブコンテンツを流している。シルバーライトはわれわれの新しい独占的なオンライン・カレッジ組織のスポーツ体験の開発、推進を支援する完ぺきな選択肢であり、今日の市場にあるすべてのストリーミングメディア・ソリューションで最も優れた価格とパフォーマンスを備えている。シルバーライトはまた、組み込み可能なプレーヤー、モバイル・プラットフォームを開発し、新しい広告融合の機会を探ることで、将来に製品の拡張に最も大きな柔軟性を与えてくれる」と語った。
▽オープン性と相互運用(接続)性に対するコミットメント継続
マイクロソフトは、エクリプスのIDEに先端的なシルバーライト開発能力を統合するプロジェクトをリードするため、フランスのITソリューションプロバイダーでエクリプス財団のメンバーであるソヤテック(Soyatec)に資金供与することによって、シルバーライトのアプリケーションを開発する付加的なツールをサポートする計画である。ソヤテックはソースフォージ(SourceForge)上でエクリプス公衆利用許諾契約書(パブリックライセンス)バージョン1・0に基づくプロジェクトをリリースして、オープン・エクリプス・プロジェクトとしてエクリプス財団にそれを提出する。
マイクロソフトはまた、シルバーライト・コントロール・パック(SCP)をリリースし、シルバーライト用エクステンシブル・アプリケーション・マークアップ言語(XAML)に対するマイクロソフト・デベロッパー・ネットワーク(MSDN)テクニカル仕様を出版する。シルバーライトに強力な内蔵コントロールセットを増大させるSCPは、オープンソース・イニシアチブ承認ライセンスであるマイクロソフト・パーミッシブ・ライセンス(Ms-PL)の下でリリースされ、ドックパネル(DockPanel)、ビューボックス(ViewBox)、ツリービュー(TreeView)、アコーディオン(Accordion)、オートコンプリート(AutoComplete)などのコントロール機能が含まれる。シルバーライトXAMLボキャブラリー仕様は、マイクロソフトのオープンソース製品開発を許可する不訴訟誓約書オープン・スペシフィケーション・プロミス(OSP)の下でリリースされるもので、第三者の独立系ソフトウエア会社(ISV)がシルバーライトに対するXAML言語による読み書きができる製品を製造することができる。
ノベル(Novell)社のエンジニアリング担当副社長であるミゲル・ド・イカーサ氏は「マイクロソフト・パーミッシブ・ライセンス(Ms-MPL)によるシルバーライト・コントロール・パックはまさにデベロッパーのニーズ応え、高度のコントロール機能がどのようにして質の高いマイクロソフトの実行から直接オーサリングされるか学ぶことができる。デベロッパーはシルバーライト・ボキャブラリー用OSPを利用することによって、相互運用(接続)性に対するコミットメントをさらに固める。私はマイクロソフトが引き続き進めている進歩に感銘しており、われわれはムーンライト(Moonlight)やオープンソース・コミュニティーへのサポートに大いに満足している」と語った。
マイクロソフトは現在、無料のエクリプスIDE開発に資金供与するばかりでなく、ビジュアル・スタジオ2008とエクスプレッション・スタジオ2でのシルバーライト向け最新ツールを提供している。さらに、同社サポートは既に無料ダウンロードできるビジュアル・ウェブ・デベロッパー(Visual Web Developer)2008エクスプレス・エディションにも広げている。
ブロックバスター(Blockbuster)社の最高情報責任者であるキース・モロー氏は「顧客が当社のコンテンツと大量データの巨大なデータベースを検索して映画レビューにアクセスしたり、高品質の映画予告編を閲覧したり、当社の新しいムービーリンク(MovieLink)・アプリケーションから映画をレンタルするか購入できるような最新のリッチ・インターネット・アプリケーションを構築したいと思っていた。シルバーライト2は今やデータグリッドや最新のスキニング能力など新しいいくつかのリッチ・コントロールを含むとともに、われわれは既存のウェブサービスへのアクセスが可能となる.NETフレームワークへのサポートもあるので、ブロックバスター・ブランドの高い基準を維持し、記録的な短時間で市場にアプリケーションを容易に持ち込むことができた」と語った。
▽次世代ウェブ体験への機能提供
新しいシルバーライト2の機能のハイライトは以下を含む。
*.NETフレームワークはリッチ・ベースクラスのライブラリーでサポートする。これはフル.NETフレームワークに準拠するサブセットである。
*強力な内蔵コントロール機能。これらはデータグリッド、リストボックス、スライダー、スクロールビューアー、カレンダー・コントロールその他多くを含む。
*最新スキニング、テンプレートのサポート。これによってアプリケーションの外観と雰囲気を容易にカスタム化する。
*ディープ・ズーム技術。これは超高解像度イメージの類のない双方向性とナビゲーションを可能にする。
*包括的ネットワーキング・サポート。これひとつですべて間に合うサポートによってREST呼び出し、WS(注)/SOAP、POX、RSSさらには標準HTTPサービス可能にして、ユーザーは既存のバックエンドシステムと容易に統合するアプリケーションを作成することができる。
*拡張.NETフレームワーク言語サポート。シルバーライト2はほかのランタイムとは異なって、ビジュアル・ベーシック(Visual Basic)、C#、JavaScript、アイアンパイソン(IronPithon)、アイアンルビー(IronRuby)など各種プログラミング言語をサポートして、デベロッパーが既に詳しいこれら言語のひとつを使って、より簡単に既存のスキルセットに再度目的を持たすことができる。
*最新のコンテンツ保護。今後のこの中にはプレーレディ(PlayReady)で動作するシルバーライトDRMが含まれ、接続されたシルバーライト体験に対する堅牢なコンテンツ保護を提供する。
*サーバー拡張性の向上と広告主への支援拡充。これは新しいストリーミングとダウンロード進行能力、優れた検索エンジン最適化技術、次世代入力ストリーム広告サポートを含む。
*力強いパートナー・エコシステム。コンポーネントワン(ComponentOne LLC)、インフラジスティック(Infragistic Inc.)、テレリク(Telerik Inc.)などビジュアル・スタジオの業界パートナーは、ビジュアル・スタジオを使ってシルバーライトのアプリケーションを作成する際のデベロッパー能力をさらに強化する製品を提供している。
*クロスプラットフォームとクロスブラウザーへのサポート。これはファイアフォックス(Firefox)、サファリ(Safari)、ウインドウズ・インターネット・エクスプローラーにおけるマック、ウインドウズ、リナックス各OSサポートを含む。
シルバーライト2に関する詳しい情報と詳細については、以下のウェブサイトかでシルバーライト2のファクトシートを読めば入手できる。
http://www.microsoft.com/presspass/presskits/silverlight/default.mspx
▽シルバーライト2の入手
シルバーライト2は10月14日にhttp://www.microsoft.com/silverlightからダウンロード入手できる。シルバーライトの旧バージョンを既に利用している顧客は、シルバー2へ自動的にアップグレードすることができる。
ソヤテック・プロジェクトの技術的プレビューは、10月14日にhttp://www.eclipse4sl.orgで入手でき、完ぺきなバージョンは2009年下半期に入手できる。
▽マイクロソフトについて
マイクロソフト(ナスダック:MSFT)は1975年に創立され、人々と企業の潜在的可能性を最大限発揮させるソフトウエア、サービス、ソリューションの世界的リーダーである。
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- [システム・アプリ]シルバーライト2が利用可能に、マイクロソフトが発表 2008/10/14 火曜日