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根本的な構造変化もたらす、法律事務所の金融機関調査

 【ロンドン10日PRN=共同JBN】国際的法律事務所ノートン・ローズ・グループの金融機関調査によると、世界的な金融危機は金融サービス業界の構造に根本的な変化をもたらし、より多くの金融機関が破綻に向かうだろう。

 2008年9月16-25日に行われた調査は195社の回答企業(金融機関など主流の企業体からなる)に信用危機の最新段階に対する金融サービス専門家の見方を尋ねている。

 回答企業は危機がさらに深刻化するとみており、79%がより多くの金融機関が破綻すると予測し、85%が規制強化を予告し、91%が合併の増加を予測し、38%がこの分野の企業国有化が増大するとみている。

 回答企業は危機が企業の行動に著しい衝撃を与えたことを明らかにしており、金融機関の態度はリスク管理に対して(75%)、信用供与承認プロセスに対して(70%)、適切な安全配慮に対して(47%)より保守的になっている。また損失の回収により敏感になり、その結果、特にストラクチャード・ファイナンスやデリバティブなどの複雑な分野で商業紛争に巻き込まれることも考慮している(35%)。
 驚くべきことに、回答企業の64%は従業員のボーナス構造に変革を導入していないことを示唆している。

 ノートン・ローズ社のスティーブン・パリッシュ世界バンキング責任者は「信用危機はドラマティックな新段階に入った。モーゲージ担保証券の評価切り下げから生じた流動性の問題が、はるかに深刻な金融問題に変わった。金融機関の救済、改革のために集中的な努力が行われているが、その多くは事業モデルの生存可能性が疑問視されている」とコメントしている。

 多くの回答企業(47%)は特に新興国(36%がインド、47%が中東、33%が中国を挙げた)だけでなく西欧(31%)、北米(23)の新市場で積極的にチャンスを求めていた。

 回答企業の75%は信用危機の影響が消滅するまでに1年から5年かかるとみているが、17%は5年以上かかるか永久に残るとみている。

 ノートン・ローズ社のジェームス・ベートソン金融機関責任者は「一部のエコノミストは新興市場の成長で西側経済の減速は相殺できるかもしれないとみており、アジア、中東の投資家による西側資産の戦略的買収が増えるとみている。事態がどのコースをたどるにしても、これからの数カ月は困難で予測し難い」とコメントしている。


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