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サンパウロの排出権入札、スイスのマーキュリアが落札

 【ジュネーブ(スイス)26日PRN=共同JBN】スイスのマーキュリア・エネルギー・トレーディング社は、ブラジル・サンパウロ市当局がこのほど実施した71万3000二酸化炭素換算トンに相当する71万3000CER(排出権)クレジットのオークションで落札者となった。落札価額は1クレジット当たり19・20ユーロ(28・20ドル)、総額1368万ユーロだった。

 オークションは大気中への二酸化炭素排出を削減するために締約国が炭素排出市場の創設に同意した国際条約である「京都議定書」の枠組みに基づき実施された。

 オークションそのものはブラジルのBM&FBOVESPA取引所が行った。このオークションには8社が応札した。

 サンパウロ市は埋立地から発生するメタンガスを大気中に放出する代わりに、ガスを捕捉しパイプで送り使用することにより転売可能な排出権に必要な資格を得る。排出権はバンデイランテス埋立地エネルギープロジェクト(45万4343CER)とサンジョアン埋立地エネルギープロジェクト(25万8657CER)からもたらされる。この2つのプロジェクトは、同市の最貧困地域の一部にある埋立地近くに住む人々70万人のニーズをまかない生活条件を向上させるのに十分な370メガワット時の電力供給を目的としたメタンをベースとした発電所を抱えている。

 マーキュリアの炭素トレーダー、ジャン・フランソワ・スティールズ氏は、EU(欧州連合)排出権取引制度(ETS)などの排出量規制要件があるため「マーキュリアは世界各地でこうした排出クレジットを必要としている製油所、公益事業体、その他多くの組織との連絡網を持っている。あらゆる取引と同様にこれは供給と需要の問題だ。この場合、供給はブラジル側で需要は欧州・日本側となりそうだ」と語った。

 マーキュリア・エネルギー・グループのマルコ・デュナン社長兼最高経営責任者(CEO)「マーキュリアはトレーディング・グループとしてエネルギー合成物全体をカバーすることを望んでいる。オークションで落札に成功したことは、当社全体の事業に占める比率が高まることを期待している炭素排出権取引の拡大を可能にすると喜んでいる」と語った。

 マーキュリア・エネルギー・トレーディング社(Mercuria Energy Trading SA)は、原油・石油製品取引で世界の上位5社に入る独立系プライベートトレーダーであるグローバルエネルギー企業マーキュリア・エネルギー・グループ(Mercuria Energy Group Ltd.)の子会社である。
 ウェブサイトはhttp://www.mercuria.com。


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