小池安雲の色の魅力
第97章
2020年になりました。本年も、どうぞよろしくお願いいたします。令和となって初のお正月でしたね。みなさま、いかがお過ごしでしたか? 私は、甥が成人式を迎え、初めてお酒を一緒にいただきました。「あんなに小さかった子が、もうこんなに大きくなったのね」とかつては言われる側でしたが、とうとう言う側になってしまいました。時間が過ぎるのは早いですね。
時間を表す色は、グリーンです。実はグリーンは、2020年のテーマカラー。テーマカラーは「今年、意識しておくと良いメッセージ」を示してくれます。ではいったい、どんな意味があるのでしょうか?
グリーンは、その名の通り木々の色。木は時間をかけて根を張り、大きく育ちます。そのため、時間をかけて培い、築かれてきたものを表すのがグリーンです。これまで地道に頑張ってきたことがあれば、その蓄積が日の目を見るようにサポートしてくれます。地道な頑張りに派手さはありませんが、堅実さが何よりも大事。良い土壌であれば植物が根付くように、発展のためにはしっかりした土台が必要だからです。では、土台が具体的にどういったことを指すのかと言うと、組織の基盤になる「ルール」「正しさ」「チームワーク」です。少しのずれが積もり積もって大きく影響しないように、身近なところから適切な決まりを設けておくと良いでしょう。グリーンが時間の数字であることからも、継続や拡大が難しいと感じることは、今年のうちに正しておく必要があります。チームワークが必要なのも、組織が大きくなるほど相互で協力し合う必要が出てくるため。もし、一人でお仕事をされている場合は、外部との信頼関係がチームワークと同様の力を持ちます。時間をかけて築いてきたつながりを大切にしましょう。
そして、すべてにおいて重要なのが「ゆとり」です。ボルトとナットが動くためには隙間(適切な嵌合)が必要なように、時間にも、人間関係にも、ゆとりが大事。小さな鉢に入れられた植物は根詰まりしてしまうように、窮屈な環境では育つはずのものも育ちません。ゆとりがあれば、その分の成長が見込めます。しっかりした土台とゆとりから、革新と躍進が生まれる。これが、2020年のテーマです。
ここでいつものワンポイントアドバイス。グリーンは時間の色のため、ほっと一息つきたいときにはピッタリ。しかし、くつろぎすぎて時間を忘れちゃった…とならないよう、使いすぎにはご注意あれ!
2020年1月17日付・第2496号紙面より