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小池安雲の色の魅力

第95章

 立冬が過ぎましたね。この数日は、日が暮れると驚くほど寒くなりました。朝晩の寒暖の差、入浴時のヒートショックなど、気温の差は油断禁物です。寒さを我慢せずに、常日頃から暖かくして過ごしましょう。

 ……と、健康に関して「暖かくして体をいたわる」と聞けば大抵の方は「そうだね」と思って防寒に気を遣います。しかし何故か「頑張り過ぎないようにね」という精神的な話になると「そうだね」と口では言いつつ、また頑張ってしまうことはありませんか? 私が講座や鑑定でお客様とお話しする際も、頑張り屋の方はどんなに「頑張らなくてもいい」と言われても、心底納得しない限りはまた頑張ってしまうのです。いったい、それは何故でしょうか。

 頑張る色で代表的なのはオレンジです。ビタミンカラーとも言われる元気な色で、レッドとイエローが合わさってできています。レッドは行動する・決定する・先を行く、という非常にアクティブな意味合い。「闘魂」で有名なアントニオ猪木のイメージカラーはレッドですよね。そして一方のイエローは、とてもまぶしく、明晰性を持っています。「危険」の看板にイエローが用いられるように、意識を敏感にさせて注意を引く色なのです。何故オレンジが頑張ってしまうのかと言うと、周囲の異変や雰囲気を察知するイエローの敏感さと、何とかしようとするレッドの行動力と気力が組み合わさっているためです。本当はもう休みたい、頑張りたくない…と思っていても、自ずと期待やニーズを察知すると「仕方ない、みんなのためにもやるか!」と一肌脱いでしまいます。やらない後悔よりやった後悔の方がいいと思うタイプなのです。誰かのためになら頑張れるのがオレンジ、と言っても良いでしょう。

 しかしここに大きな落とし穴があります。誰かのためにエネルギーを出すなら、その分の力を自分でも持っていなければいけません。誰かに喜ばれると心は満たされますが、体の疲労はなかなか取れないもの。さらに、頑張ったのに何のご褒美もなければ減る一方になります。頑張れるときは頑張りつつも、そうでないときにはしっかりと自分を満たしましょう。心身の疲れが取れれば、また気力が湧いてきます。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。オレンジは頑張れる色ですが、食欲が増進される色でもあります。頑張ろう!と気合を入れるためについつい食べ過ぎてしまう…なんてことにならないよう、使いすぎにはご注意あれ!


2019年11月17日付・第2490号紙面より


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