小池安雲の色の魅力
第87章
もうすぐ卒業式、年度末、そして春分の日。季節の変わり目がやってきました。世の中の流れに乗って、私も何故だかそわそわしています。
この原稿を書いている今、私はキャンドルの展示販売の催事中なのですが(ちなみに、ボルト型のキャンドルを制作・販売しております)、いらしたお客様とお話をしていると、みなさん揃って「変化の真っ最中」だとおっしゃいます。新たな人生の幕開けを迎えている方が非常に多いです。「これからは自分のために生きたい」という方、逆に「これからは人のために生きたい」という方、いずれも共通するのは、みなさん晴れ晴れとしたお顔をされていること。お話から感じるのは、これまでたくさんご家族や社会のために尽くされてきて、これからは自分らしいやり方でまた社会と関わろうとしていることです。生き方を考える時には「自分と他者」という関係性が欠かせないものなのだな、と改めて感じました。
自分のやりたいことをやりつつ他者の役にも立つ。そんな、絶妙なバランスを表す色はオレンジです。夕陽や焚火のように、ほっと安心する色合いはレッドとイエローのコンビネーションでできています。レッドは現実、情熱、肉体、またそれらをしっかりと管理する自立の色。しっかりと自分の足で立ち、行動することを促します。「私はこうする」など”自分”が主語にくる色だと言えるでしょう。一方のイエローは、喜びや向上心、個性化の色です。「私は私」「もっと良くなりたい」という、個性を大切にした自己成長をサポートします。
いずれも個を考える色なのに、この二つが合わさってオレンジになると何故「他者の役にも立つ」という意味合いになるか? これは、個の向上を願うイエローと実際的に行動に移していくレッドが組み合わさると「みんなそれぞれが幸せになれるように(イエロー)、自らできることをやっていく(レッド)」というメッセージになるからです。
オレンジの良いところは、自分と相手のいずれも楽しく幸せでありたいと願うところ。自己犠牲でもなくわがままでもない、絶妙なバランスで人生を選択していくのがオレンジです。元気になれるビタミンカラーでもあるので、積極的に活用していきたいですね!
ここでいつものワンポイントアドバイス。オレンジは楽しい色ですが、行き過ぎると快楽主義になります。「楽しければ何でもいいや」と、楽な方向に流されないようにご注意あれ!
2019年3月17日付・第2466号紙面より