小池安雲の色の魅力
第79章
西日本の豪雨被害に胸を痛めています。被災された方、救助する方、みなさまの御無事を祈るばかりです。
情報を得ようとすると、悲しいことにデマや不確かな情報も見受けられるので、情報を精査する必要性をひしひしと感じます。焦っているときほど一時の感情に流されないようにしなければと思いますが、感情をまったく無視するのも人間らしくないような気がするので、良いバランスを探りたいところです。
理性と感情。その両方をバランス良く持つ色はグリーンです。グリーンは、イエローとブルーが合わさってできています。イエローは理性。データを見て、性質や仕組みを調べ、判断していきます。由来や成分を分析していくような色です。ある情報があったとしたら、誰がそれを発信したのか、それは信頼のおける情報なのか、事実なのか、今必要とされているのかなどを調べ、冷静に判断してOKだと思ったら納得します。「ルーツを調べてみる」というイエローの特性は、間違った情報に惑わされない、強い味方になるでしょう。
では、もう一方のブルーはどのような色でしょうか。ブルーは感情を表します。喜びや悲しみ、共感、人類はみな兄弟だという感覚。何か起これば助けになりたいと願い、感情に寄り添うのがブルーです。
イエローに偏りすぎると機械的な判断が強くなり、ブルーに偏りすぎると感情論になると言えるでしょう。そこで、両者を合わせたグリーンの登場です。
グリーンは客観性の色です。個と全体の両方の視点から物事を見ることができます。さらにグリーンが優れている点は「正確性を重視する」ところ。「何となく」や「雰囲気」ではない、「正しい」情報を求めます。正確を期するために少々判断が遅れることもありますが、正しい情報に基づいて行動するので信頼性が高いです。そして何より、グリーンが日常的に私たちに教えてくれるのは「一呼吸おく」ことの大切さ。森林のグリーンは呼吸とリズムの色です。混乱したときには、いったん深呼吸をして気持ちを落ち着けましょう。呼吸は、快適なリズムを取り戻すためにできる簡単で有効な手段です。情報やデータを扱うときにはグリーンを思い描いて、一呼吸してみてくださいね!
ここでいつものワンポイントアドバイス。グリーンは客観性の数字なので、その力が強すぎると日和見的なポジションになってしまいます。ここぞというときには自己アピールも忘れないよう、ご注意あれ!
2018年7月17日付・第2442号紙面より