小池安雲の色の魅力
第70章
涼しい日が続くようになりました。私は食欲の秋という言葉にたがわぬ日々を過ごしております。友人とともにダイエットを計画しているのですが、今のところ減量どころか増量の一途をたどっていて、計画は早くも頓挫しそうです。
街中を歩くと、秋色に溢れていますね。ハロウィンのディスプレイも目にするようになりました。カボチャの飾りを見ると、ちょっと愉快な気分になるのは何故でしょう。それは、ひょうきんにも見える顔のせいもありますが、ほかにも理由がありそうです。
ハロウィンカボチャはオレンジ色。別名ビタミンカラーとも呼ばれる“元気な色”の代表格です。どうしてオレンジを見るとそんなに元気になれるのでしょうか。それは、オレンジを生み出す原色に秘密があります。オレンジはレッドとイエローを合わせた色なのですが、レッドは生命力を与え、イエローは物事に刺激を与える色なのです。すなわち、オレンジは生命に刺激を与えてくれます。オレンジを見ると自然と気持ちが明るくなるのはそのためです。
これらの原色は、人生(レッド)に喜び(イエロー)をもたらすという見方もできます。意味を入れ替えてみると“喜びを与える人生とは何か”という使命の問いかけになるのです。使命と言うと大げさに聞こえますが、やりがいがあって楽しいと思えて、人の役にも立つことがオレンジのテーマです。
よく「好きなことをしなさい」と言われますが、自発的にしたいことと、他者から求められることには差があります。「自分も楽しくて、かつ、人にも喜んでもらえる」というのはなかなかハードルが高そうです。
ここでも色が参考になります。レッドは自分の意思を貫く色、イエローは喜びを感じる色。さらにイエローには「人に褒められたい、認められたい」という意味もあります。派手で注目されるのがイエローだからです。誰かに認められる喜びが重要なポイント。自分らしい生き方が誰かに認められると嬉しくて、また頑張れる。そうやって、「生きていて楽しい」というエネルギーの循環が出来上がります。
ちょっと落ち込んだり、自分を見失いそうになった時は是非オレンジを眺めて、元気を補給しましょう。
ここで、いつものワンポイントアドバイス。オレンジは気持ちを元気にしてくれる色ですが、気持ちと同時に胃腸も元気にします。すなわち、食欲が増します。ダイエット中には大敵かもしれないので、使いすぎにはご注意あれ!
2017年10月17日付・第2415号紙面より