小池安雲の色の魅力
第64章
新年度が始まりました! 毎年この時期は新入生や新社会人をたくさん見かけるので初々しい気持ちが蘇ります。若輩者の私が言うのもおこがましいですが、たくましく過ごして欲しいなという気持ちでいっぱいです。私が思春期のころは「何故そんなことで」と思うくらい小さなことで悩んだりしていました。学校が世界のすべてに思えて、嫌なことがあるたびに絶望的な気分になったものです。中二病なんていう思春期特有の精神状態を指した言葉がありますが、そもそも何故、思春期には細かいことが気になってしまうのでしょうか。それは、自我の成長が鍵になっています。
自我を表す色はイエローで、とても明るく眩しく光り輝いています。これが個性化のエネルギーです。自分らしさを表現すればイエローが輝きます。キラキラすれば魅力が増しますが、当然ながら目立ちます。そのため自然と人目を惹き、好かれることも多いけれど批判もされやすくなります。スターになればなるほどファンも増えるしアンチも増える、芸能人をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。イエローの困ったところはその明るさで、光を使って目立つこともできるけれど細かいところも照らしてしまうため、良し悪しに関係なくすべての情報を拾ってしまうのです。悪い情報が耳に入ると「自分は嫌われている」「悪口を言われたくない」とネガティブになり、人目を避けたくなることがあります。
では、批判されないように目立たず過ごしたいと願えばどうなるのでしょうか。自分を輝かせるイエローが反転して周囲の動向をチェックする光になるため、ますますネガティブになります。スターになるのも落ち込むのも、イエローの使い方次第なのです。
注目を浴びれば誰かに何かを言われるかもしれないけれど、他者の目を気にしすぎると自分らしい行動がしづらくなる……。イエローは繊細でありながら明晰性のある色なので、現状を冷静に把握することさえできればどんどん前に進めるでしょう。大人になっても、自我と他者とのバランスで悩むことは多いですよね。そんなときはイエローの使い方をチェックして、光がポジティブな方向に向いているかを確認してみましょう。
ここで、いつものワンポイントアドバイス。イエローは元気になる色ですが、疲れているときに見ると強すぎる場合があります。元気づけようと思ってイエローをたくさん使ったら逆効果……なんてことにならないよう、ご注意あれ!
2017年4月17日付・第2397号紙面より