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小池安雲の色の魅力

第7章

 みなさまこんにちは! 梅雨真っ只中で蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか? 私は暑さにボウっとしながらも、乾燥しがちなお肌がしっとりと保てて少しご機嫌です。
 先日は、海水浴がはじまる前の静かな海へと数年ぶりに遊びに行ってまいりました。潮の香り、波の音、熱い砂! 着いてすぐ「海だー!」と大はしゃぎしました。しかしいつしか、寄せては返す波を見ているだけで気持ちがスウーっと落ち着き安らかな気分に。海は生命の源。私たちは心のどこかに太古の記憶を持っているのかもしれませんね。
 水平線の上にあったのは、青い空。海と空はいずれも、ブルーの象徴です。今回は、夏を涼しく彩ってくれるブルーについてお話しします。
 どこまでも限りなく、私たちを包み込んでくれるような空。
 空は世界中のどこにでも……僻地でも山奥でも必ず存在し、ただ見上げるだけで誰でも見ることができます。空は、どんな人に対しても平等です。「いいことをしたら青い空が見られる」とか「悪いことをしたら雷が落とされる」なんていう条件づけは存在しません。みんなを平等に包み込む。これが、ブルーのメッセージです。
 そして、海。その懐にはたくさんの生命体が生息し、命を育んでいます。育む、というのもブルーの言語。家庭を大切にする、自分のフィールドを慈しむことを教えてくれます。自らの源を慈しむことで、さらなる可能性や愛情が育っていくのです。
 海はよく、精神にもたとえられます。波を見ると、穏やかなときもあれば高波のときも、嵐のときもあります。これは、感情の起伏です。しかし、同じ海でもはるか下の深海では上の嵐が嘘のように穏やかなまま。これが、心であり精神の状態です。
 日々の忙しさや感情の波にのまれてしまうことがあっても、心の奥底は平和で穏やかでありましょう。これが、ブルーが持つ最大のメッセージです。穏やかで平和な海(心)は、たくさんの大陸を繋いでいます。IT系の企業ロゴにブルーが多く用いられる理由は、海や空のようなネットワークを目指しているからかもしれないですね。
 夏休みに、海へ行かれる方も多いと思います。海や空を見たときはちょっぴりブルーのメッセージを思い出して、ご家族や大切な方との絆を深めてみてくださいね。そして、毎回恒例の一言アドバイス。節電の夏、ファッションやインテリアにはレッドなどの暖色系ではなく、ブルーなどの寒色系を使うと涼しさをより体感できますよ! 

 2012年7月17日付・第2226号紙面より


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