小池安雲の色の魅力
第43章
雨や台風の多いこの季節、みなさまいかがお過ごしですか? 日が射さないため、なかなか気分が上がらない…という方も多いのではないでしょうか。日にあたることは、憂鬱な気分の改善に大いに役立つというデータがあります。光は、自然界はもちろんのこと、人にとっても非常に重要な役割を果たしているようです。
光がなければ暗闇になるように、光があるからこそ人は色を見ることができます。色も光の一種です。光は透明ですが、光を表すもう一つの色があります。まぶしいと言って思い浮かぶ色は? そう、イエローです。
イエローは陽気・前向き・好奇心の旺盛等々…論理性、明晰性を表す色です。光、すなわちイエローが少ないということは、これらの要素が減ってしまうということ! 気分が暗いうえに頭も働かない…なんていう一大事になってしまいます。梅雨の時期こそ、イエローを積極的に取り入れましょう。ひまわりのようなイエローのお花を飾ったり、黄色いオムレツを食べたりと、気軽に取り入れられるもので結構です。イエローのものを眺めるだけでも効果があります。もちろん、日=火でもありますので、キャンドルを灯すのも有効ですよ。
では、梅雨のこの時期は憂鬱なことばかりなのかと言うと、もちろんそうではありません。雨の降る日に家でゆっくり過ごすのが心地良いように、日の光がないからこそ向いていることもあります。
イエローの補色(反対色)はバイオレットです。いまはイエローが少ない天候ですので、補色であるバイオレットのシーズンだと言えるでしょう。バイオレットの時期は、体調や気分の変化を感じるという方が少なくありません。なぜかというと、バイオレットは細かい波長を持つ繊細さと変容の色だからです。静かに癒される、内に籠って探求する、個性を伸ばす、スキルアップすること…それがバイオレットのメッセージ。いまは、自分自身を静かに振り返り、体調や気分を高めていくのにぴったりです。イエローとバイオレット、二つの要素を上手く組み合わせながら憂鬱な季節を有意義に過ごしていきましょう。
ここでいつものワンポイントアドバイス。イエローもバイオレットも、「個性が強い」という意味では共通したパワーを持っています。梅雨を明るく乗り切ろうとしてイエローとバイオレットばかりを用いていると、「あの人、変わっているわね」と言われる事も。目立ちたい方にはうってつけですが、使い過ぎにはご注意あれ!
2015年7月17日付・第2334号紙面より