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小池安雲の色の魅力

第33章

 日増しに涼しくなり、秋の気配を感じるようになりましたね。みなさまいかがお過ごしですか? 季節の変わり目にまずやることと言えば衣替え。私はあまり几帳面ではないため、衣替えは溜まった物を整理する良いきっかけになっています。この数年、不要なものを減らして人生を快適にする処世術が流行っていますが、物を減らしたら確かに生活がスムーズになりました。さらに、住まいと肉体は関係しているようで、衣替えと時を同じくして久しぶりにダイエットを決意(!)。余分な物がなくなると、余分なお肉もいらなくなるようです。

 面白いもので、住まいや肉体が変わると今度は精神的な変化が訪れました。不要なものに執着するのはやめよう、という“手放し”の気持ちです。

 ディズニー映画の大ヒット作“アナと雪の女王”の劇中歌で「ありのままで」というフレーズがありましたが、その感情に似ています。“ありのまま”を色に例えるとグリーン。かたや“手放し”はターコイズで、緑から青緑に変化します。何故違う色になるのかと言うと、グリーンが“自分という存在や心そのもの”を表すのに対し、ターコイズは自分という存在を認め、“運命の流れに身を任せる”という行為が加わるからです。

 グリーンとターコイズはともに、自己価値のイエローと受容性のブルーの混色。自分の価値を丸ごと受け入れると、こだわりのない気持ちが芽生えてシンプルになります。ターコイズが水の色であることからもわかるように、汚れ(不要な物や感情)を洗い流して大事なもの(自分)をピカピカに光輝かせる、そんなイメージです。“手放し”と聞くと何だか寂しいように感じますが、これは単に手を離すだけなのでいわゆる”喪失”とは異なります。しがみつきをやめて手を離すことで両手が自由になり、新たなものをめいっぱい受け取ることができます。

 私のささやかな事例で恐縮ですが、これまでは内緒にしていたキャンドルのレシピを公開したところ、今まで以上に嬉しいお声をいただくようになりました。執着やこだわりをなくすことで、たくさんのエネルギーを受け取っています。「手放すと受け取れる」。ターコイズの不思議なメッセージです。

 最後に、いつものワンポイントアドバイス。たくさんのものを受け取りたいからと言って、今あるものを無理矢理手放すのはやめましょう。あくまでも、“ありのまま”の気持ちが一番大事であることをお忘れなく!

2014年9月17日付・第2304号紙面より


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