現在位置: HOME > コラム > 小池安雲の色の魅力 > 記事


小池安雲の色の魅力

第4章

 みなさま、こんにちは! 小池安雲です。私の住んでいる地域では先週、桜が満開でした。週末はお天気にも恵まれたので、お花見を楽しまれた方も多いのではないでしょうか。
 私は、 桜がまだ一分咲きのころにスカイツリーのお膝元で開催された「すみだ川ものコト市」というイベントに出展しキャンドル販売をさせていただきました。おかげさまで、男女問わず幅広い年齢層の方に、ボルト型キャンドルを「可愛い」「いいね」とご購入いただくことができました。
 お客様から多くいただいたご質問は「なぜ、ボルトをキャンドルにしようと思ったのか? 」でした。「ボルトは 『繋ぐ』 役割を果たすものだから、夢を繋ぐという意味でこの形なんですよ」というお話をすると、みなさま納得の表情! 形や象徴は、世代や国境を越えて意味が伝わる<共通言語>です。 「ボルトやネジはやはりみんなに愛される形なのね!」と、その形状の素晴らしさを改めて感じた一日でした。
 万人に愛されるものと言えば、桜。前回のコラムでもお伝えしましたが、ピンク色はホワイトの「清純」とレッドの「情熱」を併せ持った色。力強くありながらも、純粋さゆえの脆さを持っています。年に数日しか咲かない桜を愛でるのは、その儚さに理由があるのかもしれませんね。
 満開の時期が過ぎると、花びらはいずれ舞い落ちます。
 花が落ちると途端に見向きもされなくなる桜ですが、若葉の茂った木を見上げてみてください。生えはじめの葉っぱは、やや黄みがかった淡いグリーンをしています。この色を、若葉色もしくはフレッシュグリーンと呼びます。
 若葉色は、若いという名がつくだけあって自己主張が盛んです。個性を前面に出します。ともすれば、小生意気な若造に見えるかもしれません。これはフレッシュグリーンに多く含まれるイエローの意味です。生まれたての若葉は柔らかいので、生意気なのと同時に傷つきやすくもあります。4月、新年度になり新入社員が配属された職場も多いはず。自己主張と傷つきやすさは紙一重だということを理解し、上手に話を聞いてあげてくださいね。
 若葉は、幹や土の色であるブラウンの「深い落ち着きや包容力」があってこそ、豊かに生い茂るものなのです。最初こそ傷つきやすくても、次第に濃い色へと変化し、グリーンの意味である「安定」「協調」「成長」へと繋がります。
 いよいよ春本番。花を愛でるのも良いですが、是非、若葉にも目を向けて愛でてみてください。

 2012年4月17日付・第2217号紙面より


バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する