小池安雲の色の魅力
第28章
みなさまこんにちは。春になりましたね! 今月はきっと桜を楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。私は残念ながらお花見には行けなかったのですが、街なかでの桜を楽しみました。桜並木では道行く人みんなが顔を綻ばせて写真撮影をしていて、見知らぬ人同士に流れる共感にほんわかとした暖かさを感じました。美しいものにはみんなが惹かれ、同じ気持ちで同じ方向を向くのですね。
そういえば、「気持ち」と「方向」の意味を表しているのは同じ色だってご存知でしたか?その色はグリーンです。グリーンは、ハートの色。ハートと言えば、一般的にはレッドやピンクのイメージが強いので少し意外かもしれませんね。レッドやピンクはどちらかというと「愛」や「慈しみ」などの感情の色で、一方のグリーンはどんな感情をも含めた「気持ち」や「心」全般を表します。「心のままに」なんていうのは、グリーンにぴったりの言葉です。
さて、グリーンが何故「方向」という意味も持つのでしょうか? これは、木をイメージするとわかりやすいかもしれません。どこへ枝を伸ばしていくのか、葉を茂らせていくのかを問いかける色だからです。木は成長の象徴であり、その道筋でもあります。さらに、グリーンは数字の「4」とも関係しています。4は、東西南北の方角を指し示す数字です。新緑が美しい「4」月は、入学と入社の季節。まさに(新しい方向)への第一歩を踏み出す時期ですね。
実は最近の私もグリーンが目について仕方がありません。少し前に購入したバッグはグリーン。ニットもスカーフもグリーン。スニーカーもグリーン……街でカエル色の人を見かけたら、それはきっと私かもしれないというほどグリーンに惹かれています。色彩心理では、気になる色や目につく色はその時の心理状況を表していると言われます。どうやら私は、「方向」を決めるために「心のままの」気持ちを再確認している最中のようです。私と同じく「最近グリーンが気になる」という方。今は、これからの可能性について考える時期かもしれませんよ。是非、ご一緒に頑張りましょう!
グリーンが気になる方に、いつものワンポイントアドバイス。木は時間をかけて成長するものなので焦らなくても大丈夫ですが、ゆったりしすぎると大地に根が張りめぐらされて違う場所へと動きにくくなります。慎重に考えすぎて、結論が出た頃にはお尻が重たくなっていた……なんてことにならないようご注意あれ!
2014年4月17日付・第2289号紙面より