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小池安雲の色の魅力

第19章

 みなさま、こんにちは。いやはや、暑いですね! 7月でこの暑さならば、8月はいったいどうなることやら。猛暑に体力を奪われないよう、こまめに水分と休息を取ってくださいね。暑い日に日陰で休み休みしながら歩いていても、誰も文句は言わないと思います。

 しかし、歩みを完全に止めてしまうことに抵抗のある場合もあります。たとえば、いま歩いているのが“道”ではなく“人生”だとしたら?
大勢が日向の道を闊歩しているなか、一人だけ日陰で休むことは難しいと思われるのではないでしょうか。というのも“前進”を褒める人はいても“停止”を褒める人はあまりいないからです。今年流行の決め台詞「今でしょ!」も、「やるのは今でしょ!」であって「止まるなら今でしょ!」ではないですよね。

 止まるのは、悪いことなのでしょうか?

 日向を闊歩するエネルギーはレッドです。困難に立ち向かう・前に進むなど、めらめらと燃える情熱の色。では、日陰でひと休みの色は何でしょう? 答えは、グリーン。レッドの補色(反対色)です。休息・深呼吸・安定という意味を持ちます。森林をイメージするとわかりやすいかもしれません。

 実はグリーンには、レッドにはない良さがあります。それは“俯瞰”です。

 レッドとグリーンでは視点が異なります。レッドは一点を見据えているのに対し、グリーンは周囲を見渡す色なのです。前進時の視線は自然と行先に注がれますが、止まっていればその場を落ち着いて見ることができます。

 人間の身体には運動と休息が必要なように、人生にも前進と俯瞰の両方が大切です。もし立ち止まることがあったら、前に進めないことをもどかしく思うのではなく、止まったタイミングに感謝して周囲をよく見渡してみましょう。視点を変えると、いままで見えなかったものに気づくはず。気づいたらまた、目標地点を設定し直して前に進みましょう。これまでとは違う風景が見られるはずです。

 とはいえ、労働と対価は直結しているもの。「止まりたくても止まれない!」という方も多いと思います。そんなときは、レッドとグリーンの間にあるゴールドの意味である“本質”を問うてみましょう。「本当にやるべきこと」を見極めると、次第にグリーンの“俯瞰”の余裕が生まれてきますよ。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。“俯瞰”のグリーンは、強すぎると大地に根を張り動かなくなってしまうので、あくまでもレッドの“行動”とセットであることをお忘れなく!

2013年7月17日付・第2262号紙面より


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