小池安雲の色の魅力
第17章
ゴールデンウイークが終わって久しい今日この頃、いかがお過ごしですか? 私は、休んでいた時間を追いかけるようにせっせとボルトキャンドルを制作しております。
連休中は帰省して、かつて通った小学校の辺りへ散策に行きました。子供時代には遠く思えた道のりが思いのほか近かったり、高いと思っていた塀が実は低かったりと、大人になってから辿る想い出の道はなかなか新鮮で面白いです。歩くにつれ、かつての自分が鮮明に思い出されます。当時、子供なりに悩んだり傷ついたりしたことはあっても、やはり毎日がキラキラと輝いていました。私は色彩心理や数秘学を教えているのですが、生徒さんとよく“自信”の話題になります。「自分に自信が持てない」「つい、夢の実現は無理だと諦めてしまう」と言うのです。故郷を歩いていて思ったのですが、幼いころは不安や落ち込むことがあっても自らの才能を疑うことはなかった気がします。失敗しても、ご飯を食べて一晩寝ればケロッとしていました。みなさんはいかがですか?
自信喪失は、大人の病なのでしょうか。
“自信”を表す色はイエローです。イエローはさらに“知識”や“比較”という意味を持っています。知識が増えるにつれ「自分はまだ何も知らない」と感じ、周囲の人と比較して「あの人の方がもっとすごい」となるわけです。知識を得ることは大切ですし、比較自体も競争意識に繋がるので悪いことではありません。では、悪いことではないのに何故落ち込むのか? 自信を喪失するということは、元々は自信を持っていたはずなのです。(ないものは失えないですからね!)
ヒントは、イエローにあります。イエローはスターの色。“もっとできるはずの自分”“理想の自分”です。自信喪失は、自らへの期待感を現実の自分が裏切ったときに起こります。では、自信を失ったときはどうすれば良いのでしょう?
その答えも、イエローにあります。それは“無邪気さ”です。
子供は無邪気です。やりたいと思ったらやるし、なりたいと思ったら「なりたい!」と言います。“自信”が生まれるもっと前、その源は「大好き」「もっと知りたい」「上手くなりたい」という無邪気さではありませんでしたか?
自信を失ったときは、失った穴を埋めようとするのではなく、ただ自らの無邪気さに立ち戻りましょう。子供心を取り戻してくれるイエローは、身につけるのもオススメですが太陽の光を浴びるだけでも同じパワーを得られます。
もちろん、日焼けにはご注意あれ!
2013年5月17日付・第2256号紙面より