小池安雲の色の魅力
第144章
みなさんは、仕事の打ち合わせをする場所といったら、どんなところが思いうかびますか? 会議室や喫茶店、飲み屋の個室などがメジャーかと思いますが、先日、仕事仲間に誘われた打ち合わせ場所の候補に “高尾山”がありました。まさかの、登山をしながらの打ち合わせです(ちなみに、山と仕事はまったく関係がありません)。驚くことに、ちょうどその日に私は高尾山の記事を目にしていて、「登りたいな」と思っていたところだったのです。先方も、何故か高尾山のイメージが浮かんだとのこと。不思議な一致で、高尾山に登ることになりました。
高尾山は、都心から電車で約1時間という好アクセスに位置する国定公園で、平成19年に富士山と並んでミシュランの三ツ星に指定された名所です。1時間半ほどで登れるとあって、老若男女問わず人気があります。訪れたのは12月上旬。もみじ祭りの時期は過ぎてしまいましたが、それでも赤・橙・茶・緑のもみじと黄色の銀杏が非常に美しく、色鮮やかでした。
中腹まではケーブルカーに乗り、いくつかある登山ルートのなかから自然豊かな道を選んで登りました。足をすすめながら近況や仕事のヴィジョンをとめどなく話すうちに、「実はこんなことがしたかった」という想いがどんどん明確になっていきました。澄んだ山の空気のおかげで頭も心も澄んでいくようで、頂上に着いたときには爽快感でいっぱいに! 思わずビールとおでんで乾杯をしました。そして下山をしてからも打ち合わせを数時間するという盛り上がりになりました。おそらく、オフィスで会っただけではここまで話が進まなかったでしょう。その理由は、目にした野山が錦と言わんばかりの景色にあったのかもしれません。
紅葉のレッドは行動力、オレンジは楽しさ、銀杏のイエローはアイデア、葉っぱのグリーンは信頼の色。そして地面のブラウンは落ち着きと温かさを表します。自然の豊かさを肌で感じながら、良い色の刺激をめいっぱい浴びたことがきっと良い打ち合わせにつながったのだと思います。山の中腹には高野山薬王院があり、参拝して事業繁栄守のお札を買ったところ、仕事も良い感じです。都心近くで打ち合わせ予定の方は、一度ためしに高尾山に登ってみてはいかがでしょうか。
ここでいつものワンポイントアドバイス。どんなにたくさんの色を使っても、自分がその色を見て心地が良くなければ意味がありません。欲張りすぎないように、くれぐれもご注意あれ!