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小池安雲の色の魅力

第130章

 先日、母が喜寿を迎えました。77歳がなぜ「喜寿」と呼ばれるのかを調べたところ、「喜」の草書体が「㐂」となり、七十七に見えるからというのが由来だそうです。喜ぶ寿、という言葉が素敵ですね。そんな素敵な年を祝うべく、久しぶりに家族が集まりました。コロナ禍で会えないあいだに甥や姪もすっかり大きくなり、いまや立派な社会人や高校生に! 自信を持って色々なことに挑戦している彼らはきらきらと輝いていました。親に話を聞くと、近年の学校教育では自己肯定感を上げる方針が重要視されていて、その影響なのか自信を持っている子どもが多いとのこと。いい時代になりましたね! 少なくとも、私が学生のころには自己肯定感という言葉自体をあまり耳にしなかったように思います。お悩みの相談を受けていても、私と同年代の昭和生まれの方は「もっと頑張らなきゃ」と思う傾向があり、できる部分よりもできない部分にフォーカスをあてがちです。向上心はあるけれど、なかなか自信を持ちにくい。そんな方が多く見受けられます。
 自己肯定感をいかに上げるのか?というと、自分を褒めよう、個性を認めようと言われます。では、子どものころから褒められて、認められていれば、すべてはうまくいくのでしょうか。
 自己肯定感の色はオレンジです。オレンジは、レッドとイエローが半々で合わさった色。レッドは主張と自立の色なので自己肯定感につながることがわかりますが、一方のイエローは比較の色なのです。つまり、自分という存在が客観的な目でさらされる状態が、自己受容のオレンジには含まれています。褒める教育のひとつの側面として、褒められて育った人が社会に出て、初めて否定されてショックを受けてしまうということがあるそうです。自己受容には、他者からの承認も欠かせません。オレンジは、尊重と思いやりの色です。自己受容には、他者受容も同時に含まれているのだということが大切なポイントですね。
 では、褒める教育は意味がないのかと言われれば、決してそうではありません。本当につらいときは、根拠のない自信や愛された記憶が強い力を発揮します。自己肯定感で折れない心を持ちつつ、社会とも柔軟に関わっていきたいですね。
 ここでいつものワンポイントアドバイス。オレンジは自己肯定感と安心感を高めますが、ちょっぴり快楽主義的な色でもあります。「楽しければいいや」と、努力を忘れてしまわないようご注意あれ!


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