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小池安雲の色の魅力

第129章

 二十四節気の白露も過ぎ、涼しくて過ごしやすい季節になりました。猛暑のあいだは控えていた散歩を再開された方も多いのではないでしょうか。私も、過ごしやすさに背中を押されて「バリバリ頑張ります!」と宣言したところ、体のメンテナンスを仕事にしている友人から「涼しくなったからといって油断をすると危ないよ」とアドバイスをもらいました。人の体は季節のようにすぐには切り替わらず、十月くらいまで夏バテが続くこともあるのだとか。だるさを感じている方、もしかしたらそれは夏バテが解消されていないかもしれません。
 人は、カレンダーに則して予定を決め、頭で考えたスケジュールで動こうとします。しかし、体は時計のようにはきっかりと動かないもの。心も同じです。精神科医でもある禅僧の川野泰周氏の著書「心と体の正しい休め方」によると、悲しいことが起こったときに感情へ意識を向けないまま注意資源を外側に使いすぎると、自分の内側に注意を向けることができなくなってしまい、結果的に感情が失われた状態(失感情症)に陥ることもあるとのこと。目に見えていない部分のケアはとても大切です。
 そんな、目に見えない部分を表す色はバイオレット。バイオレットは、精神のブルーと肉体のレッドが合わさった色です。精神と肉体が合わさると“見えないもの”になるなんて不思議ですね。心と体のつなぎ目には、目に見えない何かが存在するのかもしれません。前述した本によると、食欲がわかない・睡眠が浅い・イライラする・集中力がもたない…などの症状は、体の疲れではなく脳疲労から起こる場合もあるそうです。常に次のタスクについて考えていたり、スマホを見ずにはいられなかったりする場合は要注意。脳疲労を解消するには頭を休ませるほか、マルチタスクを避けてひとつひとつ目の前のことに集中するのが大事だそうですが、それが叶わない場合は色を取り入れましょう。実は、バイオレットは癒しの色でもあるのです。バイオレットのカップでお茶を飲む、バイオレットのお花を眺める、手帳のカバーをバイオレットにする…。単に眺めるだけではなく、バイオレットを見つけたときには「ちょっと頭を休めよう」という意識づけをしてみてくださいね。
 ここでいつものワンポイントアドバイス。バイオレットは癒しをもたらしますが、眠りを誘う色でもあります。仕事中、ちょっと休むつもりが居眠りしていた…なんてことにならないようにご注意あれ!


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