小池安雲の色の魅力
第126章
人ひとりにつき、人生はいくつあるのでしょうか。人生は一度きりというのが一般的な考えかと思いますが、“定年後の第二の人生”なんていう言葉もありますし、長寿社会である今となっては“第三の人生”すら当たり前になのかもしれません。なぜこのような話をするのかというと、「もうすぐ還暦を迎えるので、今後の人生をどう生きるのかを考えたい」というご相談がこの数年増えているからです。100歳まで生きると仮定したら、還暦後でもまだ40年あります。60歳から新しいことを始めたとしても、ベテランになれる時間です。“余生“のように、余りとして考えるにはもったいない長さですね。
先日、映画「トップガン マーヴェリック」を観てきました。言わずと知れた、トムクルーズが主演したパイロット映画の続編です。有名な作品なので、映画を観ていない方でも主題歌は耳にしたことがあるのではないでしょうか。公開はなんと36年振り! まさに第二の人生のような長さです。トムクルーズはリアルな映像にこだわり、実際に飛んでいる飛行機のコックピットから撮影しています。その切迫した演技とダイナミックな飛行アクション、世代をまたぐ人間ドラマが大ヒットして、なんとこれまでトムクルーズが出演した作品において最高興行収入を樹立する勢いとのこと。トムクルーズは来月還暦を迎えます。いくつになっても過去の自分を超えられるというのは非常に勇気づけられる話です。
過去の自分を超えていくには、いったいどうすれば良いのでしょうか。過去を刷新していく色はターコイズ。南国の海のような、グリーンがかったブルーです。グリーンはまさに時間の色であり、ブルーは流動の色。人も物も時代とともに変化し続けている、とまずは認めることから始めましょう。昔にはできたことが今はできなくなっているかもしれないけれど、今だからこそ実現できることもあります。そしてターコイズは自分の枠組み(グリーン)を設けず、可能性(ブルー)を広げていく色。自身で勝手に無理や苦手と決めつけずに、まずはやってみましょう。ターコイズは「残りの人生において今が一番若い」と教えてくれる色。今から挑戦を始めれば、あなたも第二のトムクルーズです。
ここでいつものワンポイントアドバイス。ターコイズは気持ちがフレッシュになる色ですが、肉体が若返るわけではありません。つい昔のように動こうとしてギックリ腰にならないようにご注意あれ!