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小池安雲の色の魅力

第115章

 梅雨に入りました。蒸し暑い部屋で、除湿器に奮闘してもらいながらこの原稿を書いています。私はサッカー観戦が趣味で、この数日はウズベキスタンで行われているアジアチャンピオンズリーグを観戦していたのですが、ウズベキスタンは気温40度近くあっても湿度が低く、意外と過ごしやすいそうです。「40度」と聞くと「暑くて大変そう!」と思ってしまいますが、快適さは気温だけでは測れないですね。最近は、「一見しただけではわからない」と感じる場面が増えてきました。

 近所のスーパーで、純米大吟醸の一升瓶が破格で売られていました。「ラッキー!」とすぐさま購入し、飲んでみると非常に美味しい。得をした、もっと買ってこよう…と家人と盛り上がっていたのですが、酒蔵を検索して調べてみたところ、コロナ禍の影響で休業し、今は日本酒を生産していないとのこと。詳しい経緯はわかりませんが、安い金額で売られていた背景には複雑な事情があったのだろうと推察します。浮かれていた自分を反省するとともに、普段は気に留まらないだけで、世の中には同じような出来事が溢れているのだろうと感じました。そんなとき、無力感を覚えます。このご時世、自分の生活に手いっぱいではありますが、いったい何ができるのでしょうか。

 サポート・支援・扶助を表す色はオレンジです。レッドとイエローが半分ずつ合わさっており、対象物(レッド)に光を当ててよく見る(イエロー)という意味合いがあります。相手の事情がわかるからこそサポートしたいという気持ちが生まれたり、よく観察しているからこそ必要な支援がわかる、という色合わせです。社会貢献にはさまざまな形がありますが、オレンジは「相手の顔が見える範囲で、行動に移していく」という色なので、社会全体を見て無力感に落ち込んだときは、何らかのご縁があった関係から可能な範囲でサポートをしていくのが良いでしょう。オレンジは相互の色でもあるので、身近な人の楽しそうな姿を実際に見ることで、自分自身も力を貰えます。

 私も、応援したい人のところから商品を買ったり、余裕のあるときには募金をしたりしながら、もっと大きな支援ができるように力をつけていきたいなと思います。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。オレンジはサポートの色ですが、せっかくの好意も多すぎると相手にとっては重く感じてしまうことも。お節介にならないようくれぐれもご注意あれ!

2021年7月17日付・第2550号紙面より


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