現在位置: HOME > コラム > 小池安雲の色の魅力 > 記事


小池安雲の色の魅力

第114章

 真夏日のなか、この原稿を書いています。今日は暑くなるとわかっているはずなのに、急な夏日に身体が戸惑い気味です。先日、渋谷西武本店でキャンドルの販売イベントを行ったのですが、その際も“予測は出来ても、身体はついてこない”という体験をしました。自宅に引きこもっての仕事から急激に、電車通勤・長時間の立ち仕事・階段の上り下りの日々へと切り替わったため、動くイメージはしていたものの身体がついていきませんでした。外の世界は、肉体を動かさないといけない仕様になっていますね。

 催事にいらしたお客様も「久しぶりに外出をした」「電車に乗るのは月に1度くらい」「ほぼ家から出ない」という方が多かったです。最近のスマートフォンには万歩計機能がついていますが、とあるお客様は一日の歩数が1000歩にも満たない日もあるとか。買い物もネットで済ませているので、数十歩くらいしか動かない日もあったそうです。家で仕事ができる便利さはありつつも、動く必要性がどんどんなくなっていきますね。動かないメリットとデメリットを改めて考えるきっかけになりました。

 まず“家にこもる”と言われて真っ先に思い浮かぶのはインディゴ、紺色です。自分の世界に浸ったり、独自の世界観を構築する色で、外と触れ合わないぶん自身の内面を深く掘り下げることに長けています。そのため、精神的探求や、心の平穏を保つにも良いでしょう。外は刺激が多いぶん、気持ちのアップダウンも起こりやすいので、対外的なストレスを受けたときに用いると良い色です。かたや、インディゴのデメリットとしては、自分のいる世界だけが基準になりやすいため、他人の価値観を受け入れづらくなるという点でしょうか。その心の静けさが、平和によるものなのか、頑固さによるものなのか、判断の必要が出てきます。「最近、どうも頑固になってきてしまったな」と感じたら、外の空気を吸いにいきましょう。

 平和を保ちつつ外の世界に触れる色はグリーンです。他者を受け入れながらマイペースに進むことをサポートしてくれます。自粛が必要な期間は、家で静かに過ごしつつ、たまには散歩へ出てみるように、インディゴとグリーンをうまく使い分けて過ごしましょう。

 ここでいつものワンポイントアドバイス。インディゴは、実は家を片づけたくなる色でもあります。おうちを整理整頓するのは良いですが、お仕事がそっちのけにならないようにご注意あれ!

2021年6月17日付・第2547号紙面より


バックナンバー

購読のご案内

取材依頼・プレスリリース

注目のニュース
最新の産業ニュース
写真ニュース

最新の写真30件を表示する